フランスに留学を考えている方は、これから必ず目にする言葉。留学準備で部屋を探している方やすでにフランスで新しい生活を始めている方は、一度は目にしたことがあるこの言葉…。
アロカ可 / アロカ不可
一体なに?! どういうシステム?
「アロカ」ってなに?
正式には「allocations familiales (アロカシオン ファミリアル:家族手当)」。国から支給される補助金制度です。
そのうちの住宅の場合は「allocation de logement(アロカシオン ドゥ ロジュモン:住宅補助)といい、国から家賃の一部が支給されます。この「アロカシオン ドゥ ロジュモン」を略して「アロカ」と書いているのです。
「アロカ可」はアロカシオンを申請出来る物件。「アロカ不可」はアロカシオンを申請出来ない物件。貸主によって正式に届け出が出ている物件かどうかで、アロカシオンの受け取り可否が決まります。
留学生でも申請できる補助金
フランス人はもちろん、留学目的の滞在許可証を所有する外国人学生も申請する権利があります(観光ビザでの短期留学やワーキングホリデービザでは不可)。
支給される金額は、家賃や住んでいる地区、部屋の広さや設備(冷蔵庫や洗濯機などの有無)、家族構成、在仏期間、収入の額や有無によって変わります。同じ学生であっても収入額が多い人や奨学金などを受け取っている人の場合は、申請を却下されることや支給を打ち切られることがあります。また説明なく突然支給がストップすることもあります。
毎月、決まった日付に銀行の口座に振り込まれます。毎年滞在許可証の期限の1ヶ月~数カ月前に一旦支給がストップし、滞在許可証の更新が済めば支給が再開されます。
賛否両論ある制度
このアロカ、僕の周りだけでも様々な意見があります。
「お金のない学生が学問に集中できるように奨励するために必要だ」
「裕福な国からやって来た学生に対して、なぜ我々の税金が使われなければいけないんだ」
「私たちの税金が、留学を終えたらすぐ本国に帰るような人達に使われるのは納得できない」
「権利があるから受け取るのはいいけど、当然の権利だとは思ってほしくない」
行き過ぎた補助制度だという意見は決して少なくありません。貧しい国から来た学生にだけではなく、裕福で両親からの仕送りが充分な学生にも支給されるのはおかしいのでは、という意見も聞かれます。
税金から支払われている
フランスは日本に比べて補助制度が充実しているのに対し税金はかなり高いのです。そしてその高い税金が縁もゆかりもない外国人のために使われているわけです。
突然やって来た外国人学生に対して、決して小額とはいえない金額を補助してくれるこのアロカ。貧乏学生にとっては本当にありがたい限りですが、これは「あくまでも税金から支払われている」と言うことを忘れてはいけません。
感謝の気持ちを持ちたいですね
決して「もらえて当然」とは思わず、感謝の気持ちを持って勉学に励みたいものですね。それではまた。
執筆 Daisuke