十数回にわたりお送りしている、「フランスで犯罪に遭わないための方法」シリーズ。今回は、まさかの「日本人を狙った日本人による詐欺」後編。友人から「要注意人物」として教えられた、まさにその人とコンタクトをとっていた僕でしたが、さてどうなったのでしょうか?
少しでも不審な点があったら契約しない
(前回からの続き)僕はさっそく内見キャンセルのメールを送ります。その後丁寧なメールが来て、その方とのやり取りはそれで終わりました。実際には僕はなにも被害にあっておらず、もしかするとただ同じ名前の方だったのかも知れません。
しかしフランスに来て間もない、フランス語もまだしゃべれない、そんな右も左もわからない人をカモにする人がいるのは本当です。
友人はこう言います。「その人が本当に『〇〇さん』か分からないけど、自分の目と耳でしっかり確認して、少しでもおかしいなと感じたら絶対に契約しないこと」と。聞いてもいないのに弁護士の話を出してくるのは少し違和感を感じる、とも言っていました。
実際に被害にあったわけではないので、この場で紹介するのは少し迷いました。しかし言葉の通じない、文化も考え方も違う異国の土地で、金銭や住宅のことで問題を抱えることほど、心細く精神的にダメージを受けることはありません。
そんな不安を抱えることなく快適で楽しいフランスライフを過ごしてもらうため、このような被害に遭わないようにという意味で書かせていただきました。
必ず下見をして、大家さんと直接話す
詐欺被害ではなくとも、大家さんとトラブルになって退去することになる人も数多くいます。フランスで部屋探しをするときは、見た目や条件だけで安易に決めず、
・必ず下見に行き、
・大家さんと直接話し、
・金銭面や条件など突っ込んだ話をして、
・納得した上で決める
ことをお勧めします。
日本にいて下見できないときは…
もし日本にいて部屋探しをするときはフランスの友人や知人に下見を頼み、その町の様子も見てもらいましょう。フランスに友人や知人がいない場合は、信頼のおける留学サポート業者などを通して部屋探しをするようにしましょう。
契約書は自分でも訳して確認する
そしてどれだけ時間がかかり面倒くさくとも、家の契約書は自分自身で読んで、内容を確認してからサインをします。大家さんや仲介業者が日本語訳を用意してくれていても、必ず自分でも訳して内容を確認することが大切です。それもフランス生活最初の第一歩、と思うと辞書を引くのも苦にはならないはず!
以下は僕のフランスの家の実際の賃貸契約書です。
いい大家さんに出会えると…
幸い僕はその後素晴らしい大家さんと出会い、5年間支えてもらいながら幸せに暮らしました。悩みを相談したり、カフェをしたり。大家さんの前で号泣したこともありました。5年という短い期間でしたが、僕はフランスでとても幸せな時間を過ごしましたし、幸いなことに今回紹介したような犯罪にはほとんど被害にあわずにすみました。
もちろん長く生活していると、「突然お湯が出なくなった!」「電気がつかない!」「工事で部屋が真っ白…」なんてことはあります。しかし今思えばそれも楽しい思い出です。日本ではめったにないようなことですから、いい経験になったと思っています。
楽しいフランスライフを!
ここまで十数回に分けて、フランスで巻き込まれるかもしれない犯罪に「巻き込まれない方法」をお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか? 皆さんのフランス滞在に少しでも役にたてば幸いです。
このコラムを読んでフランスを嫌いになったり、あまり怖がったりしないでくださいね。どうか楽しいフランスライフをエンジョイしてください。皆さんがフランスに旅立たれるその日を楽しみに…
Bon voyage!
Daisuke