フランスの新学期はいつから?「再開の日」や「ラントレ」って何?

2017.09.01

フランスでは夏休みが2ヶ月近くもあり、2014年は9月2日がLa rentrée(ラントレ)と呼ばれる「再開の日」。(注:この記事は2014年に執筆されたものです。)この日からほぼすべての学校が授業を開始し、1200万人の子供が学業を「再開」しました。

 

フランスの小学校と日本の小学校の違い

フランスでは、新学年の始まりは9月です。日本であればお祝いすべき一日目ですが、フランスには日本のように入学式や始業式のようなセレモニーはありませんそれでも、小学生の子供を持つほとんどの親は、この日ばかりは子供に付き添い校舎の中まで同伴するのが常です。

通常、フランスの小学校では、親が朝夕、「grille(鉄柵)」と呼ばれる小学校の門の前で、先生と直接、子供の引渡しを行うのです。学校の門から中には入りませんが、始業式は特別に校舎の中まで同伴します。

 

徹底された子供の防犯対策

フランスでは子供の防犯対策がかなり徹底されており、学校側が見知らぬ大人に子供を引き渡すことは決してしません。また、フランスの町中で一人で歩いている小学生を見かけることもありません

子供が高学年になると、保護者が「一人で校外に出る許可を与える」という許可証を提出することができます。それによって子供が一人で帰宅することもありますが、私の知る限りそちらのほうが少数派です。

 

休み明けの”ラントレ”とは?

この時期、知人との会話の第1位は「ヴァカンスはどうだった?」です。それに続くのが、「ラントレはどう?」です。ラントレとは、子供の学校も含め、休み明けの仕事の再開のことです。夏の間休んでいた活動の再開のことも意味します。

日焼けした顔でヴァカンスがいかに素晴らしかったか語るフランス人の顔はリラックスしているが、ラントレの話になると顔が曇る人もいます。子供がうまく学校に馴染めないとか、学費その他の出費が重なる月であることも理由でしょうね。

実際、この時期のフランスのスーパーへには「ラントレ」用の特別売り場が設けられ、ここぞとばかりに文具が積み上げられています。

 

出費と行事が多い9月

フランスでは、9月が所得税の支払いの時期になります。源泉徴収制のとられていないフランスでは、所得税請求の通知は実に痛いもので気分が盛り下がるのも無理はないです。

それでも再開の月というのは各種スポーツや文化活動も始まり、9月の週末はフランス各地でJournée des associations(アソシエーションの日)が催されます。

上に挙げたサイトはごく一例ですが、これを見ても分かるように、
-文化交流
-趣味の会
-ヴォランティア活動
-スポーツ
・・・と、多種多様な集まりがあります。その勧誘の様子は、9月のちょっぴり盛り下がった気分を上げてくれます!

 

最後に

暗く長い秋冬の始まりを前にして、これらの「アソシエーションの日」に顔を出し、この「再開」エネルギーを浴びることはフランス人にとって大切な冬支度の一つになっています。


執筆:ゆき

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