フランスでは、自宅に招待されたら言われた時間より少し遅れて行くのがエチケットと言われたりもしますが、とにかく約束の時間に遅れてくることが多いフランス人。待ち合わせの時間になっても約束の相手がやって来ないので、一体いつになったら来るのかと相手に電話をすると、よく返って来るのが「J’arrive.」という言葉。
今回はこの「J’arrive.」という表現について詳しくご紹介したいと思います。
「J’arrive.」って言われても、すぐに来るわけではないの?
「J’arrive.」を日本語に直訳すると「私は着きます。」ということになります。約束の場所のすぐそばまで来ていて、間もなく到着しそうなニュアンスですよね。実際にそのような場合もあるのですが、そのセリフを聞いた後にかなり長い間待たされることがしばしば。
約束に遅れちゃってまずいなと思っているところに催促の電話が入ってしまい、「とにかく今向かっているから。」というニュアンスでこの表現を使うのが実際のところのようです。
「5分で着く」って言われたけど?
J’arrive dans 5 minutes.
と言われた際も5分後に約束の相手はやって来ずに、10分以上待たされることがよくあります。このようなときの2 minutes、5 minutesは、実際には2分や5分ではなく、「あとちょっと」「もうすぐ」という感覚で使われる場合が多いことも覚えておくと役に立ちそうです。
J’arrive dans 2 secondes. または Je suis juste là.
と言われたら、かなり近くまで来ていると思って大丈夫ですが、本当に2秒で到着することもありません。あと10分も待つことはなさそうだなくらいに構えておくとイライラせずにすみます。
「arriver」って「着く」という意味だけではないの?
「arriver」という動詞は、「着く」という意味をまず最初に習いますが、「arriver+à +動詞の不定詞」だと「〜することができる」という意味になります。例えば、
Je n’arrive pas à dormir.
は「うまく寝付くことができない。」と不眠症に悩む人が言うような表現となります。
また、何かをがんばっている人に
Tu vas y arriver?
と声をかけたりします。これは「うまくできそう?」「どうにかなりそう?」といった意味の表現で「そこに着けるの?」と訳してしまうと、会話をうまく解釈できなくなってしまいます。この表現はぜひ覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?約束に遅れがちなフランス人とうまくやっていくためには、実生活での「J’arrive.」の趣旨をしっかり理解しておくと、待たされるストレスも減りそうですね。
動詞arriverは「着く」という意味以外でも日常会話でよく登場しますので、バッチリ使いこなして、さらにスムーズなフランス語会話を目指したいところです。
執筆 YUBO