毎日元気に暮らすために、フランス人も健康的な生活を心がけている印象を受けます。シニア世代もパワフルに活躍されている方がたくさん!人生を楽しむにはやはり体が資本です。では、彼らは一体どんなことに気をつけているのでしょうか?今回は、フランスでのホームドクターやお薬との付き合い方、サプリの使用などのヘルス事情をレポートします。
日々の健康管理はホームドクターから
フランスでは、自分のホームドクターを決めて登録することが推奨されています。認可を受けた医者が対象になりますが、登録することによって治療の過程が継続的にサポートでき、医療費の還付金がスムーズになります。
何回か診察を受けて信頼関係を築きホームドクター登録をする流れが一般的です。ドクター登録の変更はいつでも可能ですが、多くの人は引っ越しや特別な理由がある場合を除いては同じ先生と末永いお付き合いを好む傾向にあります。同じ先生に継続的に診てもらうほうが心強く、良い関係性を築きやすいといえるでしょう。
また、ホームドクターが不在の場合は代理のドクターに診察してもらえるので心配ありません。また、フランスの診察室は、ドクターと患者の2人きりで看護師さんはいません。守秘義務がきちっと守られているので安心して相談ができます。
ドラッグストアとは少し違うフランスの薬局
緑十字の看板が薬局の印です。フランスの薬局は、市販薬の販売と処方箋の薬の受け渡しという2つ大きな役割を持っています。処方箋の薬に関しては日本と違い、薬を服用日数分だけ出すのではなく、箱ごと受け取るシステムです。
調剤された薬が出されるのはまれで、処方箋記載の薬メーカーの箱ごと渡されるので、服用日数を過ぎた分は自己管理。うっかりしていると家が薬の箱だらけになってしまうので注意が必要です。
受け取りの際に服用の仕方を確認することが多く、薬の箱に直接「朝と夜 1錠づつ」と書いてくれます。面白いですね。
薬を取りに行くだけでなく、傷に塗るクリームや、喉の痛みを抑えるスプレー、ドクターズコスメなど健康に関わるものはだいたい揃っています。
フランスの薬局の特徴
フランスの薬局は店内がとてもきれいに整理されています。薬が棚にきちっと並べられていて、清潔感あふれる空間となっています。
日本のドラッグストアのように、シャンプーやティッシュを買いに行くという利用の仕方はされていません。フランス人にとって薬局は薬を得る場所であり、体に関する心配ごとを相談してアドバイスをもらうこともできます。
出先でハチに刺されたり、突然の頭痛などの応急処置には薬局へ行くのがおすすめ。薬局は街中にいくつもあり見つけやすいです。丁寧に話を聞いてくれて、症状に合う薬やクリームをおすすめしてくれます。
もちろん大量の出血や我慢できない痛みなどは病院へ行ったほうがいいですが、軽症の場合は薬局のほうが対応が早い場合もあり、そこで病院に行くべきかアドバイスをもらえることもあります。
CBD合法化でサプリが登場!効率よく摂るには?
フランスでもサプリメントはいたるところで手に入ります。スーパーマーケット、オーガニックショップ、薬局、健康関連の商品を扱うお店で購入できます。
ここ最近、CBDショップの看板を多く見かけるようになったフランス。大麻の一種であるカンナビジオールがCBDと呼ばれ、睡眠障害、ストレス、体の痛みなどに効果があるといわれています。
麻薬のような精神作用はなく、現在フランスではCBDをサプリメントの一種とみなし合法で販売。ですが、ホームドクターに相談してからの購入をすすめています。
CBD配合のワインやビールなども見かけるようになりました。メディカルな位置づけから嗜好品へとビジネス展開されていくのではないでしょうか。今後の展開が気になります。
フランスで知った合理的なサプリメントの摂り方
個人的な印象ですが、私の知り合いのフランス人達はサイクルに合わせてサプリを摂っているようです。冬に備えて秋からデトックス効果のあるものを、夏前にビタミンを補給するなど、サプリで変化に対応できる体を作るという印象です。
私は日本にいた頃は同じサプリをコツコツと飲んでいたのですが、フランスに来てからはサイクルに合わせて必要と感じたら摂るというスタイルに変えました。
まとめ
安心して利用できる医療システムがあるフランス。しかし、それだけに頼らず食べ物や運動に気を付けているフランス人達を多く見かけます。また精神的につらいときは、セラピストに頼ることも日常的です。フランスはバカンスが取りやすい国でもあり、SOSサインの一歩手前で休める環境はありがたいものです。実は、日本の「生きがい」という言葉も認知されはじめ、沖縄の長寿の秘訣を聞かれることもあります。フランス人は日本人の健康の秘訣に興味があるようです。また機会を見つけてレポートしたいと思います。
執筆
YUKO