現パリ市長イダルゴ氏、2022年フランス初の女性大統領目指し出馬

2021.09.17

9月17日(金)、2022年の大統領選への出馬を今月12日(日)に表明したパリ市長アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)氏(社会党:PS)は、今週末に行われる党大会に出席しないと発表しています。パリで行われる「文化遺産の日」と「ノーカーデー」2つのイベントへの出席を理由にしていますが、今週末パリ市内の書店で自伝のサイン会を開催するなど、選挙を意識した活動を優先していると言われています。

 

痛烈なマクロン批判、格差の是正やエコロジー掲げ出馬表明

イダルゴ氏は訪問先のルーアン(Rouen)で「子供達に未来を、もっと公平なフランスを」と出馬を表明しました。

12日に行われた出馬演説の中でイダルゴ氏は「フランスは数々の危機に面して弱体化している」「この危機的な状況の中で、私たちの持つ希望を実現するために立候補する」と述べ、マクロン大統領の5年間の任期中に「国民は結束するどころか、分断の溝はさらに深まった」と、オランド前政権時に社会党員から離党して自らの党「共和国前進」を立ち上げ、大統領に立候補したマクロン大統領の政策を痛烈に批判しました。

更に「マクロン大統領は環境保護に危険なほど後ろ向き」であることも自らが立候補する決意を促す要因の一つとなったと述べています。

 

スペイン生まれ、フランス初の女性大統領で「真の男女平等」実現を

現パリ市長であるイダルゴ氏は、「子供達に私がフランスで得たのと同じ様なチャンスを与えたい」とスペイン生まれの移民の子として2歳の時に両親とフランスに移住し、14歳でフランス国籍を取得した自らの生い立ちに触れています。

また、次回の大統領選で女性大統領を輩出することで全フランス人女性を代表し、本当の意味で「給与の男女平等」が実現することを希望すると、初の女性大統領への意欲を表明しています。

コロナ禍でいよいよ深まった社会的格差に関しては、「より公平なフランスを構築していく」「民衆の声を聞かない一方的な政治に終止符を打ち、政治への不信を払拭する」と述べています。

 

「スノッブなパリジェンヌ」のレッテル、地方では全くの無名人

ドラノエ(Bertrand Delanoë)前パリ市長の助役として務めた12年の間は同市長を目指し、ようやく2014年にドラノエ氏の退任でパリ市長の座に就いたイダルゴ氏は「エコロジー」を掲げ、セーヌ河岸の自動車道を歩行者天国にしたり、歩道を広げ、路駐スペースを半減し、自転車レーンを作るなど大掛かりな道路工事でパリ市の「自動車排除」に力を入れてきたことで知られています。

今月パリ市内の車の制限速度を時速30kmにしたこともマイカー利用者や工事業者から避難を浴びています。

イダルゴ市長は非難を気にせず強引に物事を推し進めていく姿勢から、パリで女王のように「君臨」していると言われたり、また社会党でありながらフランスを代表する大企業のトップとのパイプが太く、一部の建設工事に大企業を厚遇しているとの批判もあります。

パリの緑化など「美化」に力を入れているものの、一方でゴミが道に山積みになっているなどの「住民にとって身近な問題が放置されている」と、野党からは「スノッブ」などと批判されています。

大統領候補としての支持率たったの5%

賛否両論あるものの、パリでは助役時代から長いキャリアもあり市民によく知られているイダルゴ市長ですが、国会議員や大臣の経験がないためフランス全国での知名度は低く、次回のオリンピック開催地の代表として一瞬脚光を浴びたものの、地方の有権者は顔も名前も知らない人が殆どです。

今のところ、次回の大統領選挙では「決選投票はマクロン現大統領 VS 極右のルペン氏」という予想が有力視されている中、最近の大統領選挙に関する世論調査でイダルゴ氏の支持率は僅か5%にすぎませんでした。

イダルゴ市長が初の女性大統領になるには、地方での知名度をいかに上げるかにかかっているといわれています。

 

党大会そっちのけでパリの書店でサイン会

イダルゴ氏の大統領選に向けた公約の詳細は、今週末に出版される「あるフランス人の女」(仮題)(仏語題:”Une femme française” )に詳しく書かれていますが、「教師の給与を2倍にする」「中央集権政治を改善し、より地方に権限を」「病院への未曾有の支援」などを掲げています。

社会党書記長オリヴィエ・フォール(Olivier Faure)氏、元大臣で党内の重鎮マルティーヌ・オーブリー(Martine Aubry)氏から絶大な支持を受けるイダルゴ氏ですが、現在低迷する社会党、および左派の立候補者は乱立しており、イダルゴ氏は今後社会党から正式な候補として選出されなければなりません。

そんな中開かれる今週末の社会党大会に、イダルゴ市長はパリでの行事に参加するため「出席しない」と発表されています。

イダルゴ氏は、社会党の集会に出向いて「党員に向けて語りかけても意味がない」とし、「社会党もフランス国民に向けて語りかけなければ」と発言するなど、来年4月の大統領選に向けて舵を切った様子がうかがえます。

執筆:マダム・カトウ

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン

Classement