トランプ大統領 フランスワインに対し「何か行動をする」関税引き上げを示唆

2019.06.11

10日(月)、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、アメリカに輸入されているフランス産ワインに対して「公平にするために何か行動をするつもりだ」と述べ、フランス産ワインへの関税を引き上げることをにおわせる発言をしました。

 

我々はフランスワインにはほとんど関税をかけていない

トランプ大統領は10日、CNBC(Consumer News and Business Channel)のインタビューで、「フランスはワインに対し多額の関税をかけているが、我々はフランス産ワインに対してはほとんど関税をかけていない」と話しました。また、「これは不公平で、我々はそれを公平にするため、何かするつもりだ」と述べました。

事実上ほぼ関税なしでアメリカに輸出されているフランス産ワインに対し、より多くの関税をかける可能性を示唆しました。

欧州連合とアメリカの貿易協定協議のさなかの発言

欧州連合加盟国では、域外共通関税制度により対外的に等しく関税率が定められている為、輸入品目に対して国独自で関税を決めることはできません。

欧州連合(EU)とアメリカの間では、昨年の7月から相互の「自動車以外の工業製品への関税撤廃」を目標とした、貿易協定の締結へ向けた協議開始が表明されましたが、依然として具体的な交渉の条件が定まっておらず、協議は一向に進んでいません。

アメリカは農業市場の開放も強く求めていますが、フランスのエマニュエル・マクロン(Emanuel Macron)大統領は「ヨーロッパの農業は価値のある資産で、必ず守らなければならない」と述べるなど、欧州議会は農業分野をアメリカとの貿易協定に含むことには同意していません。

そんな中でのトランプ大統領の今回の発言は、フランス国内で大きく注目されています。

昨年11月にも関税への不満を吐露

トランプ大統領は、昨年11月にもツイッター上で、
「フランスは優れたワインをつくるが、アメリカもそうだ。問題は、フランスはアメリカ産ワインの販売をとても難しくし多額の関税をかけているのに対して、アメリカはフランス産ワインを販売しやすくして、わずかな関税しかかけていないことだ。公平ではない、変えなければ!」
と、両国間でのワインの関税に関する不満を吐露していました。

 

フランスで急速に伸びているアメリカ産ワイン市場

アメリカではフランス産ワインは依然として強い人気を誇っていますが、アメリカ産ワインもフランスで急速に人気が高まってきています。

フランス税関によると、2007年から2018年にかけて、フランス国内でのアメリカ産ワインの消費は2倍に膨れていて、ヨーロッパはアメリカ産ワインにとって最大の市場になっているとのことです。

フランス産ワインへの関税引き上げが現実になると、フランスのワイン生産者へ大きな打撃となることから、今後の行方に注目が集まっています。

執筆:Daisuke

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