5月29日(金)、フィリップ首相(Edouard Philipe)は前日の28日に、ロックダウン解除第二弾として、レストラン、バー、ホテル、劇場、映画館、および学校の6月からの再開について発表しました。
パリ近郊除きグリーンゾーンに
フランスは感染者数の多さや病院の逼迫度が高い順に、レッドゾーン、オレンジゾーン、グリーンゾーンに分け、ゾーンごとにロックダウン解除の度合いを調整しています。パリおよび近郊のイル=ド=フランス(Île-de-France)と一部の海外県は、レッドゾーンからオレンジゾーンになり、それ以外全ての地域がグリーン・ゾーンになったことから、予定通りロックダウン解除の第二弾が実施されます。
100キロ以内の行動制限解除、欧州内の移動は6月15日から
感染者の多い地域から少ない地域への感染拡大を阻止するため、自宅から100キロ以上の移動は禁止され、やむを得ない事情の場合は誓約書の携行が必要でしたが、6月2日よりこの行動制限はすべて解除されます。
ただし、現在EU内で国境再開に向けた調整が行われていますが、国境を越えるヨーロッパ内の移動に関しては、6月15日まで禁止となっています。
レストラン、カフェ、バー6月2日再開、パリはテラスのみ
グリーンゾーンにおいて6月2日より許可されたレストランの再開には、様々な規則が導入されます。
まず、各テーブルの間を1メートル間隔に空け、客同士の距離をコントロールできない立ち飲みバーカウンターは禁止されます。また、グループでの来店については最大10人までの受け入れとなります。
厨房およびウエイターやウエイトレスを含む全ての従業員はマスクを着用し、客も店内を移動するときはマスクを着用しなければなりません。
メニューは黒板の様なボードに書いたものをウエイターが毎回提示するか、レストランのホームページに掲載してスマホで見てもらうといった方法が推奨されています。紙のメニューはプラスチック加工されたものであれば使用できますが、毎回消毒する必要があります。
店内の移動の際は客と従業員が接触しないよう配慮し、消毒ジェルを常備する必要もあります。
支払いはタッチするだけのカード決済やQRコードによるスマホ決済を優先し、カード決済機などは定期的な消毒を行います。
オレンジゾーンのパリおよび近郊のイル=ド=フランスでは、外のテラスのみ営業再開が許可され、店内の利用は当面禁止されます。
劇場、映画館も再開
グリーンゾーンでは、6月2日より劇場や美術館も再開されます。さらに、22日からはオレンジゾーンでも再開され、映画館もこの日から再開が予定されています。
ただし、「3密」になりやすい場所であることから、入場者や座席数に制限が加わり、入場者はマスクの着用が義務づけられます。
壊滅的なホテル業界も再開、パリのホテルは6月22日から
6月2日より、グリーンゾーンにあるホテルやキャンプ場の再開が許可されます。オレンジゾーンのパリおよびイル=ド=フランスでの再開は、ロックダウン解除第3弾の6月22日を待つことになりそうです。
中学、高校など全ての学校再開
6月2日よりゾーンに関係なく全ての学校が再開されます。
日本の中学校に相当する「コレージュ」(collège)では、今まで低学年の5ー6年生のみ授業が再開されていましたが、グリーンゾーンでは高学年の授業も再開します。
日本の高校に当たる「リセ」(Lycée)もグリーンゾーンでの再開は許可されましたが、オレンジゾーンではかなり限定的で、個別面談のみが可能となる予定です。
執筆:マダム・カトウ