2月26日(水)の報道によると、欧州でも新型コロナウイルスの感染が拡大する中、国民教育・青少年省(Ministère de l’Éducation nationale et de la Jeunesse)のジャン=ミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)大臣は生徒が自宅で学習できるよう、学校の授業をオンラインで提供することを検討しています。
「フランス全土で必要があれば、オンラインで授業を提供する」
フランス、オー=ド=フランス地域圏(Hauts-de-France)のクレピー=アン=ヴァロワ (Crépy-en-Valois)の中学校の教員(60)が新型コロナウイルスに感染したのち死亡したことを受け、学校教育の現場では懸念が広がっています。
この中学校は当時休暇中でしたが、現在は通常授業を再開しています。しかし、中国本土や香港、マカオ、シンガポール、韓国、イタリア北部のロンバルディア州とベネト州などの危険地域では学校の生徒と教員は2週間自宅で待機する措置が取られていることから、フランスでの対応に疑問の声が上がりました。それに対してブランケール大臣は、「状況を見ながら、フランス国立遠隔教育センター (Centre national d’enseignement à distance/CNED) がオンラインでの授業を提供できるようにする。フランス全土で必要が生じた場合にオンラインでの授業を提供する」と述べました。
バーチャル教室で授業・宿題の遂行をサポートするアバター
オンラインで授業を提供する案は、以前暴風雨やアスベストの問題が起こった際にも出されていました。そして2019年の年末に専用のプラットフォームが作られました。
このプラットフォームでは初等教育と中等教育(中学・高校の教育)を受けることが可能です。紙の上での学習やビデオを使った学習ができます。ジュール(Jules)というアバターが生徒が宿題するのをサポートします。
このプラットフォームはもともと中国とベトナムでフランス系の教育機関に通っているフランス人、または中国の教育機関に通っているフランス人のために作られました。このサービスを利用する生徒は1日3時間インターネットに接続し、学習を進めます。
また、バーチャル空間で実際の教室のように授業を受けたり、生徒間で意見を交換することもできます。これは生徒に孤立感を与えないようにするためです。このシステムの利用者は600万人に上ると見られています。
執筆・Shunsuke