ヨーロッパ文化遺産の日 ノートルダム寺院 焼失を免れた《奇蹟の絨毯》初公開

2019.09.20

By Pierre-Yves Beaudouin / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=30551477

9月20日(金)、今年4月に発生した火災で大きなダメージを受けたノートルダム寺院ですが、焼失を免れた絨毯が明日21日から2日間にわたる《ヨーロッパ文化遺産の日》(Journées européennes du patrimoine)に特別公開されます。

 

ノートルダム寺院は建物だけではない

今年4月15日、修復工事中だったノートルダム寺院は2日間にわたる火災で屋根や尖塔などが焼失し、現在再建に向けての補強工事が行われています。火災で建物は大きく損傷したものの、焼失を免れた多くの文化遺産があります。

その中の一つに、フランス王シャルル10世が1825年に王立サヴォネリー織物工場(Manufacture de la Savonnerie)に作らせたゴシック様式の絨毯があります。フランスの魂を象徴して十字架が織り込まれたこの絨毯は、王が出席するミサなど、重要な行事の際に使用する目的で作られました。

 

焼失を免れた《奇蹟の絨毯》

全長25m、200平米、重さにして約1トンのこのシャルル10世の絨毯は、火災当時教会の倉庫に木箱に入れてしまわれていました。焼失は免れましたが、2日間にわたる消火作業による大量の放水で、発見された時は2トンの汚水に漬かっていました。

フランスの有名なタペスリー、ゴブラン織り(les Gobelins)を継承する、フランス文化省直轄のフランス国有調度品(Mobilier national)部長エルヴェ・ルモワンヌ氏(Hervé Lemoine)によると、「絨毯は巻いて保管してあるため、水に漬かるとすぐに腐ってしまう」ため、この絨毯をを取り出すのに消火後6日間も掛かり状態が心配されましたが、「絨毯は寺院から搬出された後、まず数台の巨大な扇風機で乾かし冷凍され、冷凍することで絨毯は殺菌され腐敗を免れる」と説明しています。

《ヨーロッパ文化遺産の日》に特別公開された後、その後、細部にわたる修復が行われることになっています。

明日から2日間一般公開

9月21日(土)~22日(日)の間、この《奇蹟の絨毯》はパリ市内にあるMobilier nationalにて公開されます。(朝9時~17時15分最終入場)

Mobilier nationalの《ヨーロッパ文化遺産の日》訪問サイトはこちら

執筆:マダム・カトウ

写真:Wikimedia Commonsよりお借りしました。

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