フランス人の死因のおよそ13パーセントが喫煙によるとの調査結果

2019.05.29

28日(火)、5月31日の世界禁煙デー(World No Tobacco Day)を前に、フランス国立保健所(Santé publique France)は、2015年にフランスではおよそ75,000人が喫煙が原因で死亡したと発表しました。これは、その年のフランスで死亡した全ての人の内、8人に1人が喫煙によって命を落としたことになります。

 

喫煙による死は「予防可能」な死因

WHO(世界保健機関)は禁煙を推進するために毎年5月31日に世界禁煙デーを設けています。その世界禁煙デーを前に、フランス国立保健所が発表した最新の調査結果によると、2015年にフランスで死亡したおよそ580,000人の内、およそ75,320人が喫煙が原因で死亡したとのことです。すべての死因の13パーセントに当たります。

「世界の他の先進国と同じく、喫煙は『予防可能な』主な死因であり続けている」と、フランス国立保健所発行の週刊疫学会会報(le bulletin épidémiologique hebdomadaire)は述べています。

3年前と状況は変わっていない

前回、2016年に発表された2013年の死因の調査報告では、喫煙による死亡者はおよそ73,000人で、その年の全死亡者数の13パーセントに当たり、3年前の調査結果と今回の調査結果から、状況は変わっていないことが分かります。

増えている女性の喫煙が原因の死者

男女別で見ると、男性は全体の19パーセント(およそ55,400人)が、そして女性は全体の7パーセント(およそ19,900人)が喫煙が原因で亡くなっています。しかし長期的に見ると、2000年から2015年の間に、男性の喫煙による死因が1割ほど減少しているのに対し、女性は8,000人から19,900人とおよそ2.8倍に増加しています。

ライフスタイルの変化によって、1970年以降男性の喫煙者数が減少している一方で、女性の喫煙者数が大幅に増えていることが原因と考えられています。

主な死因は

喫煙に関連した主な死因で一番多いのが肺癌の61.7パーセント、次いで心血管疾患が22.1パーセント、そして呼吸器疾患が16.2パーセントと続きます。

 

全体では減少している喫煙者の数

今年3月にアニェス・ビュザン(Agnès Buzyn)連帯・保健大臣(la ministre de Solidarités et de la Santé)が発表したデータによると、2016年から2018年前半にかけて、およそ160万人の喫煙者数の減少が確認されています。これは、タバコの販売価格の大幅な引き上げが原因と考えられています。

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毎日喫煙しているという人の割合は大きく減少していて、2017年には26.9パーセントであったのに対し、2018年には25.4パーセントと、1.5パーセント減少しています。

貧富の差が喫煙にも影響

フランス国立保健所のフランソワ・ブルディヨン(François Bourdillon)代表は、「世界的に喫煙者が減少しているにも関わらず、フランスは、経済的に同規模の他の国に比べ、社会的な不平等を伴った、高い喫煙率を保っている」と述べています。

週刊疫学会会報の中でも「失業者や低学歴、もしくは無学歴、低収入などの恵まれない人は喫煙率が高い」と記載されていて、社会的な格差が喫煙率、更には健康状態にも影響を与えている、と報告しています。

執筆:Daisuke

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