ノートルダム大聖堂 「5年で再建」マクロン大統領が国民に向けメッセージ

2019.04.17

16日(火)、エマニュエル・マクロン(Emanuel Macron)大統領は、15日(月)夜に起こったノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)の大火災を受け、国民に向けたテレビ演説で「我々は大聖堂を更に美しく再建し、私はそれを5年以内に完成させたい」と述べました。

 

我々は大聖堂を更に美しく再建する

15日夜に起こった大火災で、大聖堂の屋根のほぼ全てと尖塔(せんとう)が焼け落ちたことを受け、マクロン大統領は国民に向けテレビで演説を行い、「ノートルダム大聖堂の火災は私に、我々の歴史は決して止まらないこと、乗り越えなければならない試練がいつもあるということ、我々が不滅のことも達成できると信じていることを、思い出させた」と冒頭で述べ、フランス国民の「苦悩」と「希望」を分かち合っていることを表明しました。

今後5年以内に再建を望む

また、マクロン大統領は、「我々は大聖堂を更に美しく再建するだろう、そして、私は今後5年以内に完成させたい」と述べ、ノートルダム大聖堂の再建への思いを語りました。

 

再建には少なくとも数十年はかかる見通し

マクロン大統領が5年以内という早急な再建を希望している一方で、専門家たちは再建には長い年月が必要だと指摘しています。

1176年に建設が開始されて以来およそ840年の歴史を誇る、フランス東部のストラスブール(Strasbourg)の大聖堂の修復を手掛けてきたルーヴル・ノートルダム財団(la Fondation de l’Oeuvre Notre-Dame)のエリック・フィッシェ(Eric Fischer)理事は、「被害はかなりの規模なので、ノートルダム大聖堂の再建には今後数十年かかる」とインタビューに答えています。

 

寄付は既に887億円を超える

ノートルダム大聖堂再建に向け、既に各方面から多額の寄付金が寄せられています。

グッチ(GUCCI)やイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、バレンシアガ(Balenciaga)などを抱えるグループ企業ケリング(KERING)は、1億ユーロ(およそ126億円/1ユーロ:126円)の寄付を表明しました。

次いで、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)やケンゾー(KENZO)、ディオール(Dior)などを傘下に置くグループ企業、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moët Hennessy-Louis Vuitton)と、その取締役兼CEOであるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)氏の家族が2億ユーロ(およそ253億円)の寄付を表明しました。

また、フランスに本拠地を置く多国籍企業のトタル(Total)が1億ユーロの寄付を、世界最大の化粧品メーカーのロレアル(L’Oréal)の創業者一族のベタンクール(Bettencourt)家が2億ユーロの寄付を、そして行政機関なども寄付を表明していて、寄付の総額は既におよそ7億ユーロ(およそ887億円)に達しています。

プーチン大統領も支援を表明

国家間レベルでの支援も広がり、ロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin/Владимир Путин)大統領は、哀悼の意を表しただけではなく、「文化遺産修復の経験豊富なロシア最高のエキスパート」を派遣することを申し出ました。

大火災から一日、民間レベルでも支援の声が上がっていて、ノートルダム大聖堂再建へ向け新たな一歩を踏み出そうとしています。

執筆:Daisuke

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