2月23日(土)から3月3日(日)まで、国際農業見本市(Salon International de l’Agriculture)が、パリのポルト・ド・ヴィルサイユ(Paris expo Porte de Versailles)で開催されます。
今年で56回目、世界最大規模の農業見本市
農業大国フランスが誇るこの見本市は、今年で56回を迎えます。今回のテーマは”Des femmes, des hommes, des talents”(女性、男性、才能)。
開催期間中は特産品の紹介やアトリエが開かれ、食品の試食も行われます。目玉のイベントは、毎年恒例の家畜や食品・ワインなどのコンテストです。
出展は世界中から
この見本市には、約1000の出展者(exposants)に加え、約1400名の飼育関係者(éleveurs)と2845頭の動物が世界22か国から集まります。
特にフランスの地方や海外県からの参加も多く、各地方の伝統的な食材や食品、名産品などが紹介されます。
一般入場も可能
入場チケットを14ユーロ(約1700円、6歳~学生は半額、6歳以下は無料)で購入すれば、業界の関係者ではない一般市民も入場できます。
フランス全土の食材を試食したり、動物の飼育の様子を見学することなどができ、家族で楽しめる人気イベントです。
農業に関するイメージ調査
見本市の開幕に合わせて行われた調査では、回答者の93%が「農業は有益(utile)」だと考えていることが分かりました。
この調査はコンサルティング事業のOdoxa-Dentsu Consulting社によって、2019年2月20日と21日に18歳以上のフランス人1004名を対象に行われたものです。
農家は熱心で身近な存在
調査によると、フランスの農業に対するイメージは「熱心である(courageux)」「情熱がある(passionné)」「感じが良い(sympathique)」のように肯定的です。
また、農業はフランス人にとって身近な産業でもあるようです。アンケートでは10人中7人が「農家は身近な存在だ」と回答し、「農家は古臭い」と回答したのは10人中3人にとどまりました。
EUの農業政策に対しては批判的
同じアンケートにおけるEUの農業政策に関する質問では、フランス人の否定的な態度が明らかになりました。
71%の回答者が、フランスの農業や農家にとってEUの政策は消極的な役割を果たしていると考えているのです。この見方は特に地方で強い傾向にあります。
また、調査参加者の4分の3が、EUの政策はフランスの農業の重荷になっていると回答しています。国内では農業への評価が肯定的なだけに、国外との関係においては慎重な姿勢が表れています。
見本市をきっかけに、フランスや日本の農業を見直してみましょう。
執筆あお