ルノー、カルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者を解任か 24日に取締役会

2019.01.23

22日(火)、フランスの自動車大手メーカーのルノー(Renault)は、24日(木)に取締役会を開くと発表しました。現地の報道によると、ルノーのカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)会長兼最高責任者は、取締役会からの退任要求に応じ、辞表を提出する意向を明らかにしたとのことで、24日に開かれる取締役会では、ゴーン氏の後任が決定するとみられています。

 

カルロス・ゴーン被告逮捕の概要

11月19日 金融商品取引法違反の容疑で逮捕

ゴーン被告は、日産自動車会長(現在は解任)時代、長年にわたり報酬額を実際よりも50億円程少なく見積もり有価証券報告書に記載していた、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で、東京地検特捜部によって事情聴取を受け、昨年11月19日(月)に逮捕されました。

グレッグ・ケリー(Greg Kelly)前代表取締役も金融商品取引法違反の容疑で同日に逮捕されています。

12月10日 再逮捕

同年12月10日(月)には、ゴーン氏とケリー氏は、2018年までの直近の3年間で報酬を40億円少なく記載した金融商品取引法違反容疑で再逮捕されています。これにより、過少報告された額は合わせて90億円を超えています。

12月21日 特別背任の容疑で3度目の逮捕

同じく12月21日(金)、ゴーン氏は私的な投資による18億5000万円もの損失を日産自動車に付け替えた、会社法違反(特別背任)の容疑で新たに逮捕されました。

1月8日 勾留理由開示で法廷に出廷

今年に入り、1月8日(火)、勾留理由を説明する勾留理由開示の法廷に出廷、11月19日の逮捕以来初めて公の場に姿を現しました。法廷で、ゴーン氏は容疑を否認し、無罪を主張しました。

裁判官によって、ゴーン氏が関係者に働きかけ証拠の隠滅を図る恐れがあったこと、海外逃亡の恐れがあったこと、が拘留の理由と告げられました。

1月11日 特別背任の容疑で追起訴

11日(金)、2008年に私的な投資により生じた損失を日産自動車に付け替え、更に損失の信用保証に協力したサウジアラビア人実業家の会社へ、2009年から2012年まで1470万ドル(当時12億8400万円、現在のレートで16億2000万円/1ドル:109円計算、2019.01.23現在)送金していたとして、会社法違反(特別背任)の容疑で追起訴されています。

1月15日 保釈認められず拘留延長

ゴーン氏は容疑を全面的に否認し、弁護士を通じて裁判所へ保釈を請求していましたが、15日(火)、東京地方裁判所はこれを認めない判断を下し、拘留の延長が決定しました。

 

ルノー、ゴーン氏の会長兼最高経営責任者を解任か

逮捕後もルノーの会長、最高経営責任者の座についていたゴーン氏ですが、取締役会の要求に応じて、弁護士を通じて両職の辞表を提出する意向である、と地元メディアが報じました。

これまでルノーは、ゴーン氏の無罪主張の立場を支持し、ルノー・日産・三菱アライアンス(Renault–Nissan–Mitsubishi Alliance)の中で唯一ゴーン氏を解任していませんでしたが、今回のゴーン氏の辞表提出は事実上の解任とみられ、これによりゴーン氏は3社すべての会長、最高経営責任者の職を去ることになります。

ゴーン氏の後任は

ルノーは、明日24日(木)に取締役会を開き、そこでゴーン氏の後任が決定する模様です。

これまでは、ゴーン氏が会長と最高経営責任者を兼任してきましたが、後任は、会長(社外取締役)にタイヤ大手メーカー、ミシュラン(Michelin)の最高経営責任者あるジャン=ドミニク・スナール(Jean-Dominique Senard)氏が、最高経営責任者には現在ルノーの最高経営責任者代理を務めているティエリー・ボロレ(Thierry Bolloré)氏が就任するとみられます。

 

ゴーン氏辞任の影響は

6月12日(水)に予定されているルノーの株主総会では、ゴーン氏への100万ユーロ(およそ1億2460万円/1ユーロ:124円計算、2019.01.23現在)以上に上るとされる退職金など、辞任に伴う様々な解決しなければならない問題が出てくるだろうと、現地メディアは報じています。

また、ルノーF1チームの活動にもゴーン氏の逮捕、辞任の影響が表れ始めています。

ルノーF1チームを率いるルノーのモータースポーツ部門ルノー・スポール(Renault Sport)は、ゴーン氏直属のティエリ―・コスカス(Thierry Koskas)氏が社長を務めていましたが、F1のプレシーズンを1カ月後に控えた今週になり、突然辞任しました。後任には昨年まで社長を務めていたジェローム・ストール(Jérôme Stoll)氏が復帰するなど、ゴーン氏の辞任が影響しているとみられています。

執筆:Daisuke

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