今年最も注目されている、フランソワ・オゾン監督最新作「Grâce à Dieu」 いよいよ明日公開

2019.02.19
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18日(月)、幼少期に小児性愛者の神父から性的虐待を受けた男性の苦悩と闘いを描き、現在フランスで最も注目されている、フランソワ・オゾン(François Ozon)監督の社会派作品「Grâce à Dieu(英題:By the Grace of God/意味:神の恵みにより)」が、予定通り明日(20日、水)、フランスで公開されると報じられました。(写真はワンシーン)

 

Grâce à Dieu

あらすじ

リヨン(Lyon)。5人の子供を持つ若い父親、アレクサンドル・ゲラン(Alexandre Guérin)は、ある日カトリックの教会に行くと、かつて自分が子供の頃に通っていた教会でミサを行っていたプレナ(Preynat)神父が戻ってきていることに気づきます。

プレナ神父は、アレクサンドルが子供の頃に性的虐待をしていて、アレクサンドルは他にも犠牲者がいたことを知ります。プレナ神父の教区を収める司教は被害者の声をもみ消してしまいます。アレクサンドルはプレナ神父に性的虐待を受けた全ての被害者を集め、立ち向かうことを決意します。

被害者たちは、教区だけでなく、性的虐待そのものをなかったことにしようとする、それぞれの家族にも向き合っていかなければなりません。

ベルリン映画祭で受賞

同作品は、世界三大映画祭の一つベルリン国際映画祭(Internationale Filmfestspiele Berlin、通称:Berlinale)のコンペティション部門に、今年出品された唯一のフランス作品で、銀熊賞(Silberner Bär)の審査員グランプリ(Großer Preis der Jury)を受賞しています。

 

実在の人物がモデルに

この映画は、実在の人物ベルナール・プレナ(Bernard Preynat)神父に性的虐待をうけた被害者たちが、2015年に被害者団体「La Parole Libérée(解放された言葉)」を設立するまでの実話を基に描かれています。

プレナ神父側は反論

プレナ神父は2016年1月に、性的暴行の罪で起訴されていますが、プレナ神父を弁護するエマニュエル・メルシニエ(Emmanuel Mercinier)弁護士はこの映画にたいして「推定無罪の原則に反する」と述べています。

メルシニエ弁護士は、「この映画の中で、プレナ神父ははっきりと有罪として描かれているだろう?しかし、私の依頼人は現在、暴行の証人の立場であり、裁判所は有罪判決を既に下したのか?答えはノーだ。」と、あくまでもプレナ神父は現在、起訴されている身であり、有罪判決は受けていない、として、パリ高等裁判所に映画の公開を延期するよう求めていました。

プレナ神父の裁判の判決は3月7日(木)に予定されています。

枢機卿や教区ボランティアも実名で描かれている

今回、この映画の中で被害者の名前は全て別の名前に置き換えられていますが、プレナ神父や、プレナ神父の性的虐待を認めなかったバルバラン(Barbarin)枢機卿や、元教区ボランティアであるレジヌ・メール(Régine Maire)氏は、実名で描かれています。

メール氏はオゾン監督に対して自身の名前を映画内から削除するように求めています。

 

明日公開

裁判所は、メルシニエ弁護士が起こした映画公開の延期要求を退け、通常通り明日、2月20日(水)に映画を公開することを認めました。

性的虐待が恥の概念のもとに、身内からもなかったことにされる様子や、被害者が警察になぜ訴えなかったのかなどが、リアルに描かれている様子が評価されているGrâce à Dieu。日本での公開は現時点では未定ですが、フランスを訪れる予定のある方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

配給会社 mars film 公式ホームページは→こちら←

執筆:Daisuke

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