フランスもおよそ840本の橋が崩落の危険

2018.08.27

イタリア北部ジェノバ(伊:Genova、仏:Gênes)で14日(火)に起きた、フランスとジェノバを結ぶ高速道路に掛かるモランディ橋(Ponte Morandi、またはポルチェヴェーラ高架橋 Polcevera viaduct)の崩落事故を受けて、崩落事故直前の先月7月に、フランスで既に発表されていた国内の交通インフラに対する政府の調査報告書が注目を集めています。
※画像は1994年に建設されたブルターニュ地方のイロワーズ橋(Pont de l’Iroise)、全長800メートル

モランディ橋崩落事故

8月14日午前11時40分頃、フランスとジェノバを結ぶ高速道路A10号線(Autostrada A10)に掛かるモランディ橋が、突如210メートルに渡って崩落しました。

崩落時、およそ30~35台の車両が走行中だったとみられ、38名が死亡しました。この時点で判明していた犠牲者はイタリア人26名、フランス人4名、チリ人3名、アルバニア人2名、コロンビア人、ペルー人、ルーマニア人各1名。

19日までに行方不明者が全員遺体で発見され、最終的な死者が43名に上る大惨事となりました。のこった主塔が新たに崩壊する恐れがあることから、周辺住民およそ630人が依然として避難を余儀なくされています。

イタリア警察庁がツイートした橋崩落の瞬間。

フランス国内のおよそ840本の橋に崩落の危険が

報告書によると、国が管轄しているおよそ12,000本の橋の内、3分の1(およそ4,000本)が修理が必要で、全体の7パーセントに当たるおよそ840本が「深刻な崩壊の危機」にある、としています。

報告書はこれら840本の橋について、長期的に見て深刻な崩壊の危険があり、予防措置として大型トラックを始め、全ての車両の通行を禁止し閉鎖しなければならない、と述べています。

20年後には6パーセントの橋梁が使用不可能に

また、同報告書は、20年後の2037年には、フランスの橋梁全ての6パーセントにあたる、およそ12,000本の橋が、老朽化によって使用できない状態になるとみています。フランス国内には大小合わせておよそ20万本の橋梁があるとされていますが、それらすべての維持、修理には莫大な費用が掛かり、経済への影響は避けて通れません。

ドミニク・ビュスロ(Dominique Bussereau)元運輸省書記官は、「インフラの維持のために毎年7億ユーロ(およそ900億円/1ユーロ:129円計算)を費やしてきたが、今後は13億ユーロ(およそ1,680億円)が必要になるだろう」と述べています。

近年、日本でもインフラの寿命が話題となっていますが、今回のモランディ橋崩落事故は対岸の火事では済まなくなりそうです

執筆:Daisuke

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