終わりなきフランス国鉄ストライキ、7月以降も続行と発表

2018.06.22
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フランス国鉄スト

フランス国鉄の労働組合は、今年4月から6月末までの3ヶ月間に渡り、通算30日以上のストライキを行っていますが、バカンスシーズンの7月、8月にも続行すると発表しています。

 

7月、8月は突発的スト

国鉄利用者には頭の痛いストライキですが、4月から3ヶ月間のストライキは、ストの予定日が事前に発表されていたこともあり、事前にスケジュール調整などが可能でした。

しかし7月以降は「突発的なストライキをやる」(ストの日が数日前に発表される)と、労働組合の一つSUD Railは発表しています。

 

6月末までの長期ストで、世論変化

フランスの鉄道自由化とそれに伴う国鉄改革法案に反対して始まった、通算30日を越える国鉄ストライキは、当初6月末までの予定でした。

理由はフランスのバカンスシーズンの7月、8月にストを行うと、国民の支持を得られないからです。

ストライキが始まってから3ヶ月近く経った現在、スト開始直後にはに同情的だったフランス国民も、長期に渡る不便に辟易としてか徐々に不支持に変わる人も出ており、ストによる政府への圧力が弱まっています。

 

国鉄改革法案可決したにもかかわらず…

国鉄改革法案は、今年の4月17日に国会で過半数を大きく上回って可決されています。また、6月5日、元老院(Sénat)でも可決され、新法は成立しました。

元老院で最終的に可決された法案には、労働組合の中でも改革容認派のCFDT(Confédération française démocratique du travail)などが提案した修正が加えられています。
この最終案は、新しい法の施行から7~8年の間、国鉄を退職して民間の鉄道会社に行った元職員が、希望すればフランス国鉄に再雇用されるなど、労働者への配慮を盛り込んでいます。また、鉄道の自由化によって、非採算路線が廃線になることを防ぐための項目も盛り込まれています。

しかしながら、「フランスの鉄道自由化」に関しては国会で可決された原案のまま、元老院でも240対85の圧倒的多数で可決しています。

 

強硬反対派の組合、2団体は無期限スト?

反対派の組合CGT(Confédération générale du travail)とSUD Railの2団体は新法を全面的に拒絶、「7月、8月もストを続け、必要であれば無期限でストをやる」、と強硬姿勢を崩していません。この2団体は、2020年1月からの改革法の施行自体を阻止しようとしています。

 

労働協定の交渉にストで圧力

新法の適用で「鉄道員」の特別資格が廃止され、自由化で新規参入した民間鉄道会社の社員にも適用される労働協定(Convention collective: 業種別の労働協定)が新たに作られます。

CFDTや UNSA(Union nationale des syndicats autonomes)などの改革容認派は、今後作られる鉄道会社の新しい労働協定に盛り込まれる内容を鉄道労働者たちに有利にすることを狙っています。そして、UNSAのロジェ・ディレンスジェール(Roger Dillenseger)書記長は、「いまより高い給与レベルなど、労働者にとって有利で魅力のある協定を勝ち取る」、とくに「鉄道労働者が用意に移動できる権利」と称して「無料乗車の権利」を盛り込もうと考えています。

UNSAとともに最終案に意見を盛り込ませたCFDTですが、「今後の労働協定の内容には細心の注意を払う」と述べ、「私鉄でも国鉄でも運転手が14時間も運転するなどありえない」と、今後の成り行きを警戒しています。

改革強硬反対派も容認派も、今後2020年の施行までに行われる労働協定の交渉に意欲をみせており、交渉を有利にするためのストライキでまた団結する可能性は十分にある言われています。

国民の生活に不便を強いるフランス国鉄のストライキですが、まだまだ出口の見えないトンネルに入ったままです。

関連記事:「SNCFフランス国鉄改革」と「3月22日大規模ストライキ予定」
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執筆:マダム・カトウ

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