パン・オ・ショコラの名前が変わる? 共和党議員が国会へ提出

2018.05.28

pain au chocolat先週の22日(火)から国会で議論されている「食糧と農業」に関する多くの修正案の中で、フランスの伝統的なパンで、最近では日本のパン屋でも同名で売られているチョコレート入りのパン、パン・オ・ショコラ(pain au chocolat)の名称を変更しようとする案が提出されました。

 

パン・オ・ショコラとは?

パン・オ・ショコラは、フランス南西部のアキテーヌ(Aquitaine)地域圏、旧ガスコーニュ地方(Gascogne)が発祥の、四角く形作られたクロワッサン(croissant)の生地の中に、2本のチョコレートが詰められたもので、この地域では昔からショコラティーヌ(chocolatine)と呼ばれています。

サクサクとしたクロワッサン生地に、チョコレートの甘い味があり、フランスのパン屋では温めた状態で売られていることが多く、クロワッサンの隣に置かれています。朝食や午後のおやつに食べられ、発祥の地ガスコーニュ地方では、放課後にパン・オ・ショコラが提供される伝統があります。

 

改名を提案しているのは地元出身の議員

今国会で、このパン・オ・ショコラの名称変更を提案しているのは、ガスコーニュ地方出身の共和党議員です。提案された法律は「歴史的な郷土食文化、例えば南仏の誇りでありガスコーニュ地方のパン文化であるショコラティーヌなどをもっと支援していくべきだ」と述べ、パン・オ・ショコラを発祥地で呼ばれている名前、ショコラティーヌに統一すべきとの意見を示しました。

 

あえなく否決される

注目を集めた、このパン・オ・ショコラ vs ショコラティーヌ論争ですが、今国会で話し合われている数千にも上る「食糧と農業」に関する法案修正案の中には、食料の安全に関する法案や殺虫剤の使用禁止、食料品に関する貿易問題など、より重要度の高い議題が多く、ステファヌ・トラヴェール(Stéphane Travert)農業大臣は「この案件は、本質的に議会レベルに達していない」と述べ、あえなく否決されました。

また、フランス国内では既にパン・オ・ショコラで認知されていて、仮に名称が変更された場合、混乱は免れません。

SNS上では、このパン・オ・ショコラ vs ショコラティーヌ論争に対して、一時「どちらでもいい」「他に議論することがないのか」などの意見が多く見られました。ツイッターではパン・オ・ショコラ支持派たちが安堵のツイートをしていました。

名前が変更されてもされなくても、変わらない美味しさは守っていってほしいですね。

執筆:Daisuke

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン

Classement