2026年9月4日(金)、フランスの地方の市町村を中心に、運営が成り立たなくなった教会が売りに出ています。地元メディアが取材しています。
フランス全国で2000~5000の教会が放置や廃墟
フランスの田舎をドライブすると、どんな小さな村にも中心部に教会があることがほとんどです。北フランスのソム(Somme)県にあるエクルジエール=ヴォ―村(Éclusier-Vaux)も、その例にもれず小さな教会が建っています。
一見、なんの変哲もない様子の教会ですが、中に入ると、壁や天井のあちこちに亀裂が入り、床のタイルはでこぼこになっています。
修復か解体か?
地元テレビの取材班を案内するため1年ぶりに中に入ったというダーアン(Dahan)村長は、「湿気で壁などが侵食されぼろぼろになっています。修復にはまず屋根をやり直す必要があります」と説明しています。教会のシンボルといえる鐘がある二階へは、「危険すぎて上がれない」と村長が言うように、側壁の一部は崩れて瓦礫が散乱し、レンガや漆喰がむき出しになっています。
建物の補強工事が必要なため、修復には60万(約1億900万円/1ユーロ=約185円)~80万ユーロ(約1億4,500万円)かかると見積もられていますが、これは3年前の話で今ではさらに高額になると思われる、と村長はため息をついています。
この金額は、人口わずか85人のエクルジエール=ヴォ―村の年間予算の5倍から8倍に当たります。そのため村長は数か月前から教会を売りに出しています。
もし買い手が見つからなければ、「自分の村長としての任期が終わるころに解体するしかない」と、ダーアン村長は寂しげに語りました。
建物の劣化、信者数の減少で教会も経営難
フランス全土にある約42,000の教会のうち、その10%以上が痛みが激しく放置されるか、廃墟となっています。教会によっては、建立から何世紀もの時間が経ち、修復なしでは建物が使用できなくなっている上、地元の信者数が減少し続け、教会に行く人がいなければ寄付も集まらず、神父も派遣されず、運営が成り立たなくなっています。
村長の涙ぐましい努力、20年放置されたローマ時代の教会救済
アン県(Aisne)にある小さなボヌバリン(Bonnevalyn)村では、村長が村にあるローマ時代からある教会の惨状を自転車でバチカンまで訴えに行きました。最終的に、この教会がフランス文化遺産に指定されていることから、屋根の修復に公的資金70万ユーロ(約1億2,700万円)投入され、現在修復が行われています。
民間企業が購入、教会修復の職人育成に
南仏、ランス(Lens)市のある教会は、文化遺産修復専門の大手建設業者が購入し、専門の職人を育成する研修所にしました。職人らは技術を学びながら、研修所である教会で実際に修復を進めています。
職種は屋根の瓦や屋根材の施工修理を行う、屋根職人、板金職人、石工などです。職人らは「非日常」的な職場を歓迎しています。教会の外壁ではとび職人がロープを使って練習をしています。
購入費用は30万ユーロ(約5,400万円)で、ちなみに金額だけでみると、パリでは小さなアパートしか買えない額です。
購入した企業、GROUPE NAの広報は、「当社にとって、文化遺産を維持することは非常に重要なことです」と述べています。
フランスのカトリック信者、減少傾向続く
カトリック専門紙の依頼で昨年行われた世論調査によると、フランス人の46%が、自分の宗教は「カトリック」だと認識しています。この数値は年々減少傾向にあります。
フランス語で「pratiquant」つまり宗教の教えを学び、信仰を実践している人は630万人で、フランスの成人全体の12%を占めています。
このうちの約300万人が熱心な信者、少なくとも月に1回は教会に通い、宗教の教えや活動にかかわっている人になります。これは全人口の約5.5%にあたります。
ローマ法王レオン14世が今月25日~28日にフランスを訪れます。信者数の回復になるのか?今後の動向が注目されます。
出典:TF1
執筆:マダム・カトウ












