2026年7月14日(火)、フランスの「ミリオネア」、資産100万ドル(約1億6,250円/1ドル=約162,5円)以上を持つ人が、この1年間で34,600人増えて239万人となった、とスイスの投資銀行UBSがレポートを発表しました。フランスはヨーロッパで最も裕福な国の一つに位置付けられていますが、その増加率は東欧の国と比べると比較的緩やかです。フランスではミリオネアの要因として、遺産相続の割合は高まる一方で、経済成長への貢献度が低く、格差が広がるといった議論も地元メディアで報道されています。
フランス ミリオネアの数の増加、英国に次ぎヨーロッパで2位
EU加盟国では、過去一年間に増加したミリオネアの数はフランスが最多で、スペイン32,707人、イタリア28,596人、ドイツ24,263人を上回っています。一方、ヨーロッパ全体でみると、最も増加数が多かったのはイギリスで、43,139人のミリオネアが誕生しています。
ミリオネアの増加率なら、東欧がダントツ
増加率で見ると、フランスはリトアニア(8.0%増)、ラトビア(5.7%増)、ハンガリー(5.3%増)に大きく及ばず、2025年のミリオネア数の伸び率はわずか1.5%にとどまりました。
フランス、ミリオネアの数で世界6位
2025年時点で、フランスの100万ドル以上の資産を保有するミリオネアは238万8,000人に達し、アメリカ(2,360万人)、中国(530万人)、日本(290万人)、ドイツ(265万人)、イギリス(243万人)に次ぐ世界第6位となっています。
また、西ヨーロッパ諸国だけで世界のミリオネアの約4分の1に当たる約1,500万人を擁しており、同地域が依然として世界有数の富の集積地であることがうかがえます。
フランスのミリオネアはどんな人?
インセ(フランス統計経済研究所:INSEE)の発表によると、新たにミリオネアになったフランス人のプロフィールは、50歳~69歳、現役、もしくはリタイアした会社の経営者、企業の管理職、医者、銀行員などです。また、ミリオネアの夫婦またはカップルの半数には子供がいません。
フランスのミリオネア、どこに住んでいる?
フランスの富裕層は、想像通りパリ及び近郊に集中していますが、最も多いのは、パリの西の郊外ヌイー=シュール=セーヌ(Neuillly-Sur-Seine)、2位はフランス南東部、スイス国境にほど近く、スイスで働くフランス人が多数住む、ディヴォンヌ=レ=バン(Divonne-Les-Bains)、3位パリ7区、4位パリ8区、5位パリ16区、6位パリ6区、7位はパリ郊外、イヴリーヌ県(Yvelines)のル・ヴェジネ(Le Vésinet)、8位はパリ西の郊外、サン=クルー(Saint Cloud)です。
フランスのミリオネア、不動産、株、相続が主流
地元メディアによると、まずは、不動産資産価値の上昇です。例えば、現在パリ11区の50平米のアパートの価格は2000年には27.5万ユーロ(約50,880,500円 /1ユーロ=約184円)でしたが、現在約50万ユーロ(約92,510,000円)、約25年前の約2倍近くになっています。つまり、以前から持っているほど何もしないで資産が増えたことになります。
不動産価格の上昇率は地方の主要都市ではさらに激しく、ボルドー(Bordeaux)のアパートなら1平米当り+70%、ブルターニュ地方(Bretagne)のレンヌ(Rennes)60%、西フランスのナント(Nantes)で+50%です。
不動産に次いで、株価の上昇がミリオネア誕生に大きく貢献しています。
2025年、フランスCAC40の株価は前年比で平均10%、銘柄によっては、60%~150%も上昇しています。
3つ目の要素は、遺産相続です。
フランス人の29人に一人がミリオネア、起業はまだまだ
ミリオネアが増えるのは良いことかもしれません。起業して財をなす人が増えれば、雇用や納税で社会に貢献します。
1970年時点で把握されたフランス人の財産のうち、遺産相続で取得した財産の割合は30%でしたが、2025年になると60%にも上ります。ちなみに、世界のミリオネア数の半数を擁し、この1年で44万人ものミリオネアが誕生したアメリカでの傾向は逆で、50年前に60%だった相続の割合は現在30%程度に減少しています。
これらの財が株式など投機や不動産の価格上昇で膨らむ一方、フランスの経済成長への貢献度は高いとはいいがたいものがあります。対照的に、ミリオネアの増加率が欧州一のリトアニアは、テクノロジー分野での起業が牽引しています。
出典:BFMTV、TF1
執筆:マダム・カトウ












