2024年9月3日(火)、フランスでは2日(月)より新学期が始まっています。毎年この時期になると、授業の時間割について議論が交わされますが、今年は14歳の中学生がマクロン大統領に時間割の見直し提案するための署名を募り、話題になっています。
長すぎる1日の授業時間を短縮、校外活動時間増やして
南フランスガール県(Gard)、ニーム市(Nîmes)近郊の町マルグリット(Marguerittes)に住む中学生のルー=アン・フィッシャー(Lou-Ann Fischer)さんは、地元のルー・カステラ(Lou Castellas)校に通う中学生です。
彼女の中学の授業時間は朝8時~17時まで、お昼休み2時間をいれて9時間を学校で過ごします。放課後家に帰ってさらに2時間を宿題に費やすと、平日は授業が午前のみの水曜を除き、ほぼ終日勉強することになります。
時間割は地域や学校により若干異なりますが、中高では週25時間~26時間の授業時間が必須、さらに年間10時間が教科外学習に費やされます。
ルー=アンさんは、カナダの学校をモデルに、1日の授業時間を9時~15時半、もしくは8時半~15時に変更、その代わり年間の学校の休みを2週間減らし、14週間にすることを提案しています。
授業時短で残った時間は、スポーツや文化活動、宿題の補助などに充てることができます。
彼女によると、1日あたりの授業時間を短くすれば毎日の疲れが減り、その分授業への集中力が増すというわけです。
オンライン署名に1万人、大統領宛てに書面
ルーアンさんは、「学校でよりよく勉強できるための制度の変更」を今年の5月に署名サイト「チェンジ」で開始、当初500だった署名は、市役所や地元のメディアで取り上げられたり、SNSによる拡散ですでに約1万2千件を超えています。
目標の15,000に達したらマクロン大統領をはじめ首相や教育相あてに書面で提案することにしています。
フランスの学校、授業時間で欧州上位も、欧州一長いバカンス
OECDのデータによると、欧州19か国の義務教育の週平均授業時間は23.4時間、フランス平均は27.6時間で、欧州内でも上位に入ります。
ところがフランスの学校の休みは16週間とヨーロッパ一長く、週の授業時間が短いフィンランドやスウェーデンは10~13週間と休みが短くなっています。
ちなみに週の授業時間が30時間と欧州一長いドイツでは、学校の休みが13週間とフランスより3週間も短く、ドイツの子供たちは年間で見ても、欧州でもっとも長い時間学校で勉強していることになります。
フランス中学校の時間割例:パリ、モジリアニ校の場合
7時45分:開門
8時:授業開始 授業は1コマ55分
9時55分~10時10分:レクリエーション (校庭に出ること。教室内や廊下に残ることは禁止)
11時5分~12時25分、12時5分~13時25分:昼休み 学校給食を食べない生徒は帰宅
12時半、または13時半:授業開始
15時25分、または14時40分:レクリエーション
17時35分:下校
月、火、木、金:午前3~4時間、午後3~4時間、合計7時間の授業。
水:午前3時間~4時間
執筆:マダム・カトウ