2024年パリの「最優秀バゲット賞」に輝いたのは

2024.04.26

2024年4月26日(金)、毎年恒例のパリ最優秀バゲット賞、今年は11区のパン屋「ユートピー」(”Utopie”)が選ばれました。受賞者はメダルと賞金4,000ユーロ(約672,000円/1ユーロ=約168円)に加え、フランス大統領官邸エリゼ宮(l’Élysée)に向こう1年間パンを納品できる権利を獲得します。

 

今年は11区のパン屋、『ユートピー』

最優秀賞を受賞したのは、パリ11区(20 rue Jean-Pierre Timbaud)にある”la boulangerie Utopie”のグザヴィエ・ネトリー(Xavier Netry)氏です。

イダルゴ市長(Anne Hidalgo)は早速「おめでとう」のメッセージを贈るとともに、近々パリで一番美味しいバゲットを「試食に行く」とInstagramで発信しています。

パリ市一等助役、エマニュエル・グレゴワール(Emmanuel Grégoire)は、Xで「皆この店に押しかけているようだ」とコメントしています。

 

バゲットコンクール、5つの審査基準、審査員はパリ市民

このコンクールはパリ市とグラン・パリパン屋パティスリー連盟(Syndicat des boulangers-pâtissiers du Grand Paris)が主催しています。

選考基準は、焼き具合、味、中の柔らかい部分、気泡構造(穴の具合)、見た目で判断されます。

審査員は、2人のパンの専門家、パリ市助役のほか、抽選で選ばれた6人のパリ市民で構成されます。審査員の手にわたる前に、コンクールに出品されるバゲットは、出品規定である長さ50㎝~55㎝、重さ250g~270gであること、また塩分含有率は小麦粉1キロあたり16.8mgを満たしていなければなりません。

「他と一線を画す」最優秀バゲット、『パンの日』に表彰

25日の朝審査会場に届けられた173本という多数のバゲットの中で、ネトリー氏のバゲットは「群を抜いて」良かったとパリ市の広報は発表しています。

ネトリー氏は、5月7日の『パンの日』にパリ市庁舎で表彰されます。

2016年にフランスのTV局M6のパン職人コンテストでも優勝し、自身のInstagramに5,000人以上のフォロワーを持つ同氏、パリ最優秀バゲット賞に輝いたと聞き「やっと取れた。大変な名誉!」と喜んでいます。

ちなみに、残念ながら最優秀を逃したトップ5のパン屋は:

2位 『メゾン・ドレ』(”Maison Doré”) (パリ5区)

3位 『ラ・パリジェンヌ』(”La Parisienne”) (パリ7区)

4位 『ラ・ブーランジェリー・ルジェス』(”la Boulangerie Rougès”) (17区)

5位 『レクラン・グルマン』(”L’Écrin gourmand”) (パリ7区)

それにしても173本ものバゲットの試食、手分けして行うとはいえ、たった数人で審査するのは大変そうだなー、と毎年このニュースを聞くたびに思ってしまうのは私だけでしょうか?

執筆:マダム・カトウ

Syndicat des boulangers-pâtissiers du Grand Paris
Boulangerie Utopie, 20 rue Jean-Pierre Timbaud, 75011 Paris

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