2024年4月30日(火)、明日5月1日(水)のメーデー(Fête de Travail)に、フランス全土で毎年恒例の大規模なデモ行進が行われます。しかし今年は昨年と違い、参加予定人数が大幅に少なくなっています。理由の一つは、1日は水曜日、翌週8日の戦勝記念日(victoire de 1945)も水曜日、9日のキリスト昇天祭(Ascension)は木曜日と、週中に祝日がある飛び石連休になっており、休暇を取る人が例年よりも多くなっているためのようです。
パリで1万5000~3万人規模、フランス全土で15万人弱
デモ行進の推定参加人数が発表されましたが、年金改正法案に反対する多数の一般市民が参加した昨年の予想参加人数は、パリだけでも8万人~10万人だったことを考えると、今年は規模が大幅に小さくなっています。
昨年はパリ市内だけでも5,000人の警察および機動隊が配備されていましたが、今年は国民のお財布に直結する主だった改革法案がないことと、飛び石連休の日付が良いことから、多くの国民がバカンスに出かけていることも、デモ参加者の人数に影響しているようです。
今年の関心は「賃金」と「平和」
フランス政府は、過去数年で膨れ上がった財政赤字解消のため、各方面で削減に乗り出していますが、特にやり玉に挙がっている社会保障に関して、2025年に当初の120億ユーロ(2兆214億円/1ユーロ=約168円)の削減ではなく、200億ユーロ(約3兆3650億円)の削減案が議論されています。
フランスの主要組合のうちCGTを中心とした団体は共同声明を発表、「物価上昇率に合わせた最低賃金や年金、奨学金額の設定」および「(財政予算解消のための)社会保障の削減反対」を要求するとしています。
特記すべきは、ロシアのウクライナ侵攻、ガザにおける、イスラエル・ハマス衝突に近い将来の戦争への危機感から「持続可能な平和」が加わっていることです。
一方、主要組合の一つCFDTは、6月9日に行われるヨーロッパ議会議員選を視野にいれ、「より野心的で労働者を守るEUのために」とデモへの参加を呼び掛けています。
5月1日、パリ市内のデモ行進ルート
パリのデモ隊は、14時、リパブリック広場(place de la République)からスタートし、下記に記載した主要な通りを経て、19時ごろナション広場(place de la Nation)に到着する予定です。
パリ県警によると、明日朝10時頃からデモルート付近は車両による交通規制が行われるほか、デモ開始前から歩行者も通行止めになる通りがあります。
また、地下鉄も12時頃から一部の駅が閉鎖されますので、お出かけの際はご注意ください。
リパブリック広場、バスチーユ広場 (place de la Bastille)、テンプル大通り(boulevard du Temple)、フィーユ・デゥ・カルヴェール(boulevard Filles du Calvaire)ボーマルシェ大通り(boulevard Beaumarchais)、ディデロ 大通り(boulevard Diderot), リヨン通り(rue de Lyon)、ドメニール大通り(avenue Daumesnil)など
パリ地下鉄RATPサイト
:ご利用路線の番号をクリックすると、運行状況、閉鎖駅などの情報がご覧いただけます。
執筆;マダム・カトウ