スリやひったくりに遭わない方法を数回に分けてお伝えしています。今回はスリ完結編です。前回までは一体どのような人がスリに狙われるのか、スリはどのように観光客を見分けているのかをお話ししました。では…結局どうやって気をつければいいの?
スリに狙われないために
1.鞄の口に手をかけておく
いくらスリのプロ集団といっても、完全に閉じた鞄からマジックのように抜き取るわけではありません。RATPの放送にもあるように、持っている鞄の口はしっかりと閉じ、常にどちらかの手が鞄の口にかかるように軽く添えておきましょう。これだけでかなりの抑止力になりますし、なにか変化があればすぐに気づきます。
ただ、がっちりとガードしすぎると「ここに大金が入っている」と思われ、かえって被害につながる怖れもあります。やりすぎる必要はありません。
リュックは使わない
なるべくリュックサックではなく、肩掛け鞄を利用します。リュックサックは気づかないうちに口をあけられていることや、切られて中身を抜かれていることがあります。
2.高価なものは鞄の奥に
財布やスマートフォンなどの高価なものは鞄の中に入れておくことが肝心です。そして多少面倒でも、それらは鞄の一番取り出しにくい位置にしまいます。自分が取り出しにくいものは、スリも取り出しにくいのです。
財布を後ろポケットに入れるなどはもってのほか。盗んでくださいと言っているようなものです。たとえチェーンなどをつけていても無駄。チェーンごと引きちぎられひったくられます。
また人前で安易に財布を取り出さないこと、現金は最低限しか持ち歩かないことも大事です。
3.車内の扉付近に立たない
車内では、扉近くの囲まれるような場所には立たないことです。またカスク(un casque ヘッドホン、ヘルメット)で音楽を聞くのは控えます。音楽に夢中になったり、外界の音が遮断されると注意力が鈍ります。
ほかにもいろいろな注意点
移動の際は現地で購入した地図を使います。日本のガイドブックはカフェやレストランなど落ち着いた場所で確認し、地図として使うのは控えましょう。ガイドブックを読みながらの移動は不注意になり危険です。
そのほかに、ツアーワッペンは自由行動の際は外す、または目立たない場所へつけかえる。あまり過度なお洒落はしない、なども大切です。
少しの注意で、素敵な滞在に!
たくさん書きましたが、実はこれと言って特別なことをする必要はありません。日本が安全なのでつい怠ってしまいがちなだけで、普段から気をつけておくべきことばかりです。
ガイドブックなどでさんざん書かれているにもかかわらずスリの被害が減らないのは、やはりそれだけ注意が不足している証拠です。
挙動不審になるほど気をつけすぎたり、周りの人すべてがスリかも!とおびえ過ぎる必要はありませんが、せっかくParis まで来ているのです。少しの注意で、安全で素敵な滞在にしたいものですね。
次回は急増している「ひったくりと置き引き」について検証します。
執筆 Daisuke