前回からスリやひったくりに遭わない方法を数回に分けてお伝えしています。今回はスリ続編です。
日本人観光客は「一番の顧客」
スリ被害に遭うのはもちろん観光客だけではありません。しかし彼らもプロです。日本人の危機管理の甘さ、現金の所持率の高さなどを熟知しています。狙いやすく、高収入が期待できる日本人は、彼らにとって一番の「顧客」となるのです。
観光客の見分け方は?
ではスリの集団はどのように観光客を見分けているのでしょうか? その方法はいたって簡単です。
・ガイドブックや地図を広げてを熱心に読んでいる
・リュック率が高く、小さなペットボトルが外ポケットにささっている
・車内の路線図を熱心に眺めている
・首から大きなカメラをぶら下げている
では日本人観光客の見分け方は?
日本人観光客はさらに見分けやすいです。
<若者の場合>
・おしゃれ(日本人はおしゃれでとても有名です)
・日本語ガイドブックを見ながら歩いている
・無防備
<ツアー客・中高年の場合>
・男性の後ろを女性陣がついて歩いている
・同じような帽子、ファッションをしている
・〇〇ツアー、〇〇トラベルといったワッペンやシールをつけている
*ツアーで配られるワッペンは便利なのですが、「私は観光客です」という証にもなります。自由行動の際には取り外すか、目立たないところへつけ直すことをお勧めします。
おしゃれは控えめにしておく
せっかくファッションの都、Parisにきたんだからお洒落して街を歩きたい!という方もおられるでしょう。しかし実際に来るとわかりますが、ファッション雑誌に出てくるような人はあまり見かけません。
着こなし術が上手く、ちょっとしたアクセントでお洒落に見せる人はいても、平日の昼間からお洒落にきめてハイヒールで闊歩するような人はほとんどいません。石畳でガタガタのパリでは、すぐにヒールは折れ足をくじいてしまいます。
街なかでは歩きやすいペッタンコ靴をはき、必要なら職場や外出先で履きかえます。お洒落はディネ(le dîner 夕食)、ソワレ(une soirée 夜のパーティ)やボワット ドゥ ニュイ(une boîte de nuit ダンスパーティ、クラブ)のためにとっておくのです。
「でも、やっぱりせっかくの凱旋門やエッフェル塔、セーヌ川での写真はお洒落して写りたい!」。もちろん危険だからやめろというわけではありません。しかし、Métroや RERを利用する場合は少し控えめにして、ここぞという時にお洒落を楽しめば、危険な目に遭わずにすむかも知れません。
なにより、エッフェル塔と一緒に写る最高の笑顔こそが、一番のお洒落だと思いませんか?
…結局どうやって気をつければいいの? 次回はそれについてお話したいと思います。
執筆 Daisuke