街なかで金品を要求されたら?(3)電車内で演奏が始まった!

2017.03.09

数回にわたり、街中で金品を要求された場合の対処方法についてお話ししています。「電車内で紙を配られる・親子連れでまわってくる」「電車内で大きな声でなにか話し始める」に続いて見られるのが…。

 

電車内で急にコンサートが始まった!

それはMétro ligne 6(メトロ6番線)に乗り、ビラケイム(Bir-Hakeim)を過ぎた折。電車はエッフェル塔(Tour Eiffel)を目の前にしながらセーヌ川(la Seine)を渡り、視覚的にもロマンティック。

車内には調子っぱずれのアコーディオンで「Sous le ciel de Paris」が鳴り響く。茶色に色づくマロニエの葉を見ながら、一人アンニュイ(*1)な雰囲気に浸る…なんてロマンチックなんでしょうか。「これこそが私の求めていたパリよ!!」なんて声が聞こえてきそうです。

*1:ennuyeux(se) 困った、わずらわしい、退屈な。 日本で知られている「物憂げな」というのは文語で、一般的にフランス人がアンニュイを使う時は「凄くつまらない」というイメージ

実は違反行為です

でもこれ、実は…違反なんです。残念ながらRATPは車内での演奏を一切許可していません。たとえそれがヴァイオリンでもアコーディオンでもリコーダーでも、演奏がどれだけ上手くても…。

RATPの職員さんに見つかれば即下車、罰金対象です。RATPも駅構内や車内の貼り紙で注意を促しています。駅構内での演奏のみ、許可証を持った人たちだけができます。

許可証の取得にはRATPの審査に合格しなければいけません。許可証があれば堂々と駅構内で演奏をすることが出来ます。

でも、お金を渡すのもパリの醍醐味

しかし、もしあなたが車内で聞いた演奏が「素晴らしいな」「少しお金をあげたいな」と思えば躊躇せずあげればいいのです。それもパリ滞在の醍醐味かもしれません。ただし、あくまでも車内演奏は違反なので、RATPは金銭を渡すことを推奨していません。

 

電車内では財布に注意!

ここまで3つのパターンで書いてきましたが、要は「あげたければあげればいい、あげたくなければあげる必要はない」と言うのが結論です。

しかし一つ注意すべき点が。人前で現金を取り出すという行為は「私は大金を持っています」と周囲に言っているようなもの。フランスでは日本と違い現金を持ち歩くことが少ないですから、お札が沢山はいった財布を持ち歩くのは犯罪を誘発する怖れがあります。

電車内では、絶対に財布を広げないようにしましょう。そして小銭だけが入った小さな小銭入れを別に持っておくように心がけましょう。

次回は少しユニークな金品の要求の方法についてご紹介します。
執筆 Daisuke
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