フランスのインターン制度は中高生から!就活にも役立つその内容とは

2025.11.26

日本では高校生になってアルバイトを始める人も多いですが、フランスでは事情が異なります。高校生が日常的にアルバイトをする文化はあまり根付いておらず、多くの学生用の求人は18歳~がほとんどです。その代わり、社会経験を積むために積極的に取り入れているのがインターン制度です。今回は、学校教育と連携されているフランスのインターン制度についてレポートします。

 

フランスの中学・高校で義務化されているインターン制度

中学、高校の時期のインターンの場合、基本的には労働よりも職場観察がメインです。早い段階から実社会を体験し、自分の進路を考える機会と捉えられています。そのため、受け入れ側としてはどの程度の仕事に学生を参加させて良いものか悩むことも…。研修先ではメンターと呼ばれる指導者または監督者がつく必要があり、適切な指導がされることが条件になっています。

中学生のインターンの流れ

フランスの子どもたちにとって初めての社会経験は、中学校最終学年での3〜5日間の職場体験です。フランスの全ての中学生が、このインターン制度のプログラムに参加する義務があるため、地域によって時期が重ならないように工夫されています。

学校のカリキュラムの一環とはいえ、研修先の職場は自分で探さないといけません。各家庭、子どもと親がどの分野に興味があるかを話し合い、履歴書を作成して、体験する職場を探す流れになります。数日間のインターン経験のレポート発表もあるため、子どもたちは学んだことをメモするノートを持って研修に参加します。

高校生もインターンが義務化に

2024年からは、高校1年生もインターン制度の参加が義務になりました。高校生の研修期間は、年度末にあたる6月後半に2週間です。長期間で受け入れ可能な職場、本人の希望する分野をヒヤリングし、履歴書を書き直して自分たちで研修先を探します。

学校側から受け入れ可能な企業リストを提示してくれますが、コンタクトをとって履歴書を出して承諾を得るまでの道のりは自分でやらなければいけません。とはいえ、まだ高校生なので何をどうすればいいか具体的なプランを持っていないため、研修先探しにおいて家族のサポートは必須です。

 

大学や高等教育でのインターンは就職先探しも兼ねる?

高等教育でも、専攻や学年に応じてインターン参加がカリキュラムに組み込まれています。この年代になると、学生たちそれぞれが自分の興味のある進路がだいぶ絞られてきているので、将来の就職先という目線で選ぶこともポイントです。中高生のインターンは職場観察に重点が置かれていますが、大学や高等教育の学生の場合は実務に携わるようになり、場合によっては卒業後そのまま就職というパターンもあるからです。

すでにインターンの仕組みを理解しているので履歴書も本格的に作りこみ、インターネットやSNSを使って自分で研修先の職場を探します。2カ月以上同じ場所で研修をする場合、手当という金銭的補助が出ることが法律で定められていますが、受け入れ先が海外や業種によっては出ない場合もあるので確認が必要です。また、研修先が遠方の場合、自分で住居探しもしなければいけないので大忙し!ということもあります。

 

インターン先を必死に探す学生が列車で驚きの行動に!

ある学生が、研修先を探してもどこも受け入れ先がないという事態に陥ったときのエピソードを紹介します。研修をしないと単位がもらえないし、進級も卒業も危ぶまれる瀬戸際に立たされた彼はこんな行動に出ました。

移動中のTGV ( フランスの長距離新幹線 ) で、乗客に自分の状況をスピーチして訴えたのです。「インターン先を探しています!僕を助けてください!」。すると、彼の熱意に動かされた乗客が「君の専攻は何?」「研修期間はどのくらい?」など質問をし始めました。なんと、その映像はSNSで拡散され、これをきっかけに彼は研修先を見つけることに成功! 彼の行動は学生の間で話題になりました。

 

インターンのメリットとデメリット

インターンは社会経験を積むという意味では有意義な活動ですが、注意点もあります。簡単にインターンのメリットとデメリットをあげてみましょう。

メリット

キャリア設計:早い段階で業界を知ることで、自分の進路を検討する材料になる。
人脈構築:職場の人との関係性が、将来の就活や仕事につながる可能性がある。
教育機関との整合性:学校との協定があるため、アルバイトでは得られない学びもある。

デメリット

低賃金/無給:2カ月未満の短期インターンでは手当が支給されないケースが多い。
労働力として悪用されるリスク:メンターのやり方によっては「インターン=安い労働力」として使われてしまう可能性も。
キャリアへの過度な依存:インターン経験が過度に重要視され、インターン経験がないと不利になることも。

インターンがおこなったサービスや業務で一定のレベルに達していないと「これは研修生がやったから。」というようなフレーズをよく耳にします。完璧さを求められる仕事の場合、手当が発生せずやる気に影響が出てくることもあります。インターンは研修先選びの段階から、それなりの覚悟が必要なのかもしれません。

 

まとめ

フランスのインターン制度は教育と実務がつながっており、学生にとって社会経験を積む貴重な場となっています。仕組化されているので、受け入れ側が柔軟に対応してくれる姿勢は安心して働けるメリットです。インターンは職種、内容、期間によって手当の有無に違いはありますが、自分の興味のある分野を垣間見れるのは進路を決めるのにも役立っています。

YUKO

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