旅行などで訪れるマルシェやスーパーは、その土地ならでは名産やそこに住む人々の生活を垣間見れて興味深いものです。今回は一歩踏み込んで、フランスの業務用スーパーについてレポート!扱う商品の種類、気になる価格、そして入店の条件について解説します。食に関わるあらゆるものが揃う場所なので、料理に興味がある方ならきっとワクワクすると思います。
フランス全土に展開されている業務用スーパーは?
フランスの高速道路を車で走っていると街を抜けたところに大型量販店の看板が見えてきます。大型スーパー、日曜大工専門店、園芸店など、定番の量販店があります。業務用スーパーも車でアクセスを前提とした郊外にある場合が多く、有名なのは以下の3つのお店です。
1.メトロ ( METRO )
主にレストランやカフェ、飲食店経営者など食のプロの方向けで食品から厨房機器まで幅広い品ぞろえ。
2.プロモキャッシュ ( PROMOCASH )
大手スーパー、キャルフールの系列会社で地方にも多く展開。
3.トランスグルメ ( TRANSGOURMET )
プロ専用の食品卸業者で、宅配サービスやお店に営業の方が出向いて注文をとるサービスを展開。
フランスの業務スーパーは食品関係の職種の方向けで、基本的に一般のお客さんは利用ができません。店舗を持つ業務用スーパーは会員制で、会員証カードがないと入店不可というシステムです。食品関係の仕事についている証明書が必要で、申請をして受理されると会員カードを手にすることができます。
学校のPTA的な活動をするアソシエーションまたはスポーツクラブ、慈善活動団もメトロとプロモキャッシュでは必要書類の提出で会員登録が可能です。
フランス人は、イベント活動や手作りのお菓子販売、資金集めのために飲食スタンドを出店するなど、食材を業務用スーパーで購入する機会が多いです。今や料理関係者以外にも重宝され、なくてはならないお店といえるでしょう。
非会員でも入店可能な方法!
会員証カードは入口で入店するときのスキャンと、会計時の本人確認の際に必要です。そのため会員ではない個人が入ることはできません。しかし、会員の人に同行すれば入店が可能です!私も会員者に同行して業務用スーパーを訪問することができました。
メトロの場合、会員本人が指定できる指定担当者および同行者1名が同時に入場可能です。会員の人に同行して、荷物搬入を手伝いつつ自分の買い物も便乗してさせてもらうやり方はおすすめです。ただし、会計は別にできないので買い物をする場合は会員の方に代行してもらわないといけません。
鮮度は抜群!業務用ならではの量と価格にも驚き
フランスの業務用スーパーに入ってまず驚いたのは、カートの形状と長さです!大型スーパーのカートとは違い、載せる台のみが付いた台車形式となっていて、しかも大人1人が寝ころべるほど長いのです。でも、店内に入ってその理由がすぐにわかりました。小麦粉1キロ10パックセット、お砂糖1袋5キロなど、業務用ならではの分量の多い商品ばかり並んでいるのです。
店内は広く、扱うアイテムもたくさんあります。周りのお客さんは、長い台車にどんどん商品を載せて買い物をしていました。ばら売りで買うことが多いお菓子系も、箱買いが基本です。料理に関する包材、調理器具、ユニフォームなども売っており、見るだけでも十分楽しめました。
世界中のスパイス、ワインやアルコールの品ぞろえも豊富で、日本の食材では抹茶パウダー、寿司のり、寿司用のお米なども販売しています。
業務用だけにどれも分量が多いものばかりですが、そのほとんどが通常のスーパーより2割ほど安くなっています。物によっては1個単位で販売していましたが、まとめ買いのほうがお得。箱売りのフルーツ、1袋5キロのパスタ、巨大な缶のトマトソースなど、細長い台車があっという間に買い物で埋め尽くされました。また、肉や魚は鮮度が良く、さすが食のプロを顧客としているスーパーだなと思いました。
会計後の商品はカートで運びますが、生鮮食品用にスポーツバック程の大きさの保冷袋や、細々としたものを入れるケースを持ち込んでいる方も多くいます。速やかに車に搬入するプロのテクニックだと感じました。
まとめ
普段、目にしているものが大きな袋や分量で売られているのを見ると、自分が小さくなったような不思議な感覚になります。日本にある会員制のスーパーといえば、コストコが人気ですね。フランスにコストコはないのですが、今回ご紹介したメトロ、プロモキャッシュ、トランスグルメにも社会科見学の感覚で行くのも楽しいと思います。機会ありましたら、ぜひ行ってみてくださいね。
執筆 YUKO