フランスにも贈り物をする文化があり、大切な習慣になっています。ただ、日本のお中元お歳暮のようなものや、職場・知り合いに旅行のお土産を配るという風習はフランスにはありません。では、フランスではどのようなときに贈り物をするのでしょうか。今回は、フランスで贈り物をする時期や人気のプレゼント、そして失敗しない選び方ついてレポートいたします。
フランス人が大切にする贈り物シーン3つ
日本と同様に、フランスで大切にされているプレゼントシーンは主に以下の3つです。
1.誕生日
フランス人にとっても誕生日は大切な日です。小さい頃は親戚や家族でのお祝いとお友達を招くお誕生日会、計2回おこなう家庭が多く見られ、プレゼントに囲まれた楽しい時間を過ごします。
大人になっても誕生日をしっかりお祝いするのがフランス流です。60代、70代に突入の節目には盛大なパーティーを企画する人もいます。
2.クリスマス
さまざまな信仰を持っているので個人差はあるものの、クリスマスの贈り物にかけるフランス人の意気込みには驚きます。この時期は消費の繁忙期と呼ばれており、週末も買い物客で大賑わいです。
またマーケティング戦略もあってかテレビではおもちゃのCMが頻繁に流れ、店頭ではコスメやワインなどのクリスマススペシャルの詰め合わせなどが並びます。プレゼントを買いたくなってしまう気分になるのは私だけではないかもしれません。
また、1年頑張った自分へのご褒美として、いつもより上質なものを買う方が多いようです。例えば、高級ショコラ屋さんでのまとめ買いです。私は高級ショコラを買う人の行列を見たことがあり、詰め合わせ1キロを買っている人のショコラ愛に驚いたことがありました。
3.節目のご挨拶など
1年の節目となる時期に贈る、お礼やご挨拶のプレゼントもあります。例えば、フランスでは9月から新学期スタートなのでバカンス前の6月末の節目に、子どもと親御さんがお世話になった学校の先生や職員の方に贈り物をするのです。また、職場で退職してリタイヤ生活スタートや出産をした同僚に対しても、皆で出資して贈り物を送るケースもよくあります。
失敗しないプレゼント選び!どのような贈り物が喜ばれる?
毎年やってくるお誕生日にどのようなプレゼントがいいのか、すぐにアイデアが湧いてこないこともありますよね。日頃から贈る相手の言動や行動に興味を持って接すると、ヒントをもらえるかもしれません。親しい間柄なら、本人に欲しいものを直接聞いてしまったほうがいいときもあります。
贈り物の定番で喜ばれるのは高級ショコラです。フランス人は本当にショコラが大好きなので、アイデアが浮かばないときはおすすめです。アルコールが好きな人なら、ワインやリカーなどもいいと思います。また、女性への贈り物には、クリスマスシーズン限定で発売されるコスメコフレが人気です。男性には香水を選ぶ人もいます。
また、ここ数年は物ではなく体験型プレゼントも注目が高まっており、利用者が増えています。ホテルのスパチケット、エステのマッサージチケット、数人で出資して飛行機代、普段おこなわないようなパラグライダー、犬ぞり体験なども人気です。また、写真、陶芸、お茶、お料理などゆったりと落ち着いてできる体験もたくさんあります。知らない世界を体験できる贈り物って素敵ですよね。
普段がんばっている自分へのご褒美は?
友人たちと会話していると、自分へのご褒美の話題が出てきます。普段使える素敵なデザインのマグカップ、アクセサリー、エステティシャンによるメイク、スパで体をリラックスなど、それぞれ選ぶものは違いますが、私も興味のあるものばかり。
ある友人は、「予算が十分にあるときに、高級リゾート地でタラソテラピーを自分へのご褒美にした」と話していました。自分を労わることでもっと仕事や勉強を頑張れるので自分へのご褒美効果は大きいといえるでしょう。
金曜日の夜のレストランでの女子会ディナーなども見かけます。こういうことに積極的なのは女性が多いようですが、週末の昼のレストランで食べ歩きをご褒美としている男性の友人もいます。やはりおいしいもの食べると、人は元気になっていくのでしょうね。
まとめ
フランスのプレゼント文化は義理や習慣でするものではなく、相手のことを思って贈り物を選ぶときのワクワクや、喜ばれたときの嬉しさを重視しているように感じます。特に誕生日は毎年体験する特別な日で、年齢に関係なく遠慮せずちゃんとお祝いをするのがフランス流です。これも人生を楽しむ秘訣なのかもしれません。
執筆 YUKO