仕事に精を出し、友人や家族との食事を楽しみ、夏休みには大移動して旅行へと、フランス人はいつも活動的に動き回っています。よく食べ、よく語り、よく笑うその姿は、まさにエネルギーに満ちあふれています。けれど、静かな癒やしの時間も、彼らは大切にしています。今回は、フランス人がどのように心を整えているのか、またフランスに広まった日本文化”ZEN”についてご紹介します。
フランスで人気が広がる禅 ZENとは?
近年、ZENという言葉をフランスでよく目にしたり耳にしたりするようになりました。”ZEN”は仏教の禅からきている、心を落ち着けるためのキーワードです。フランスの有名歌手ザジ( Zazie )が歌詞に取り入れたことで認知度が定着しました。短く覚えやすいこともあって、いたるところでZENの言葉が使われています。
また、フランス全土で健康やメンタルをテーマにグッズ販売している人気ショップ “ Nature et Découvertes ” では、ZENに関する商品も扱っています。私もこのお店に行くと、つい癒しコーナーを物色。フランスで定番のアロマテラピーグッズの横に坐禅用のクッション、空間を清める白樺の枝、など多様な癒しグッズを発見できるので面白いです。
仏像がおしゃれなインテリアグッズとして人気
玄関やリビングに小さな禅のコーナーをつくるインテリアアイテムとして、ミニ石庭やミニ仏像が人気です。宗教的なシンボルではなく、静寂や安らぎの象徴として受け入れられているのがポイント。インテリアに取り入れることで、日常生活で気軽に心を整えることができます。
私がバカンスを過ごすために借りたアパートのサロンにも、仏像のオブジェが飾ってありました。それをきっかけに、さまざまな場所で仏像のオブジェに目が行くように。別の場所では、頭の形が沖縄のシーサーを思わせるスタイルの仏像もあり、門に対で置かれていて印象的でした。
ワークショップやイベントから見る日本文化への興味
最近、フランスでは健康をテーマにしたイベントが流行っていて、ヨガ、ピラティス、気功、指圧などのワークショップが人気を集めています。日本文化に興味を持つフランス人が増えたのか、習字、墨絵、盆栽、茶道とのコラボレーション企画が持ち上がるイベントもあります。
参加者は「フランス人は理論で物事を考えてしまう癖があるので、集中して静かに取り組む日本文化は気持ちが整うんですよ。」と話してくれました。大きなイベントは人も多いですが、心を整えるヒント探しには絶好の場かもしれません。
まとめ
アクティブに人生を楽しみながらも、どこかで心の落ち着きや静けさを求めるフランス人。日本文化にはすでに静けさが根づいていることを実感し、フランス人は日常に禅や仏像オブジェといったエッセンスを取り入れ、静と動のバランスをうまく取っているようです。癒やしアイテムでホッと一息つく時間を大切にすることは、万国共通なのかもしれませんね。
執筆 YUKO