2024年7月19日(金)、27日の開会式まであと7日、パリ五輪委員会は22日(月)から毎日、新たに5万枚の入場券を販売すると発表しました。一方、パリ北部の郊外、セーヌ=サン=ドニ(Seine-Saint-Denis)県に作られた選手村がオープンし、アメリカ、中国などの選手団が続々と到着しています。今週18日はパリ市長イダルゴ氏が約束通りセーヌ川で遊泳し、水質が水泳可能なレベルに達したと発表しました。
パリ五輪入場券、五輪史上最高の870万枚販売するも100万枚以上の残席
過去のオリンピックの開催地で入場券販売枚数が最も多かったは、1996年のアメリカ、アトランタ五輪において、830万枚が発売されました。
パリ五輪は数週間前にその記録を破りましたが、パリ五輪委員会(Cojo)によるとまだ120万枚のチケットが残っています。
チケットが残っている30競技の中で特に残席が目立つのは、フランス北部、リール(Lille)市で開催されるサッカー、バスケット、ハンドボールなど、スタジアムの収容人数が多い競技ですが、人気の高い水泳や陸上競技も含まれています。
まだ間に合う!来週22日から毎日発売
今月26日~8月11日までのオリンピック期間に行われる水泳のファイナルや人気の陸上などを含むチケットが、昨日5万枚発売されました。さらに来週22日(月)から毎日販売されます。競技や日程によっては数十ユーロ(1ユーロ=約170円)と手ごろな価格で購入できます。
パラリンピックの残席180万枚
8月28日~9月8日まで開催されるパラリンピックの全入場券280万枚のうち、販売されたのは100万枚で、現時点で180万枚が残っています。
運営委員会はオリンピック開会式後の販売増に期待しています。
あこがれのパリ開催の五輪、選手村に選手団 続々到着
昨日18日にオープンしたばかりの選手村には、朝からアメリカ、中国、イギリス、オーストラリアなど参加人数が最も多い国々が到着しています。
モルドバ共和国の水泳選手、オリンピックは2回目という26歳のタチアナさんは、はじめてのパリ、目をキラキラ輝かせ「パリに来れてすごく興奮しています。東京大会よりすばらしいものになるでしょう」とコメントしています。確かにコロナ禍での東京大会は無観客で、選手たちも移動が制限されるなど、選手らはオリンピックの雰囲気を満喫できませんでした。
モルドバ共和国の参加選手は全部で26人、フランス選手団の人数のわずか20分の1の参加者です。その後ろに並ぶアゼルバイジャンの選手団、総勢48人は、「子供のように」はしゃいでいます。
選手村は9,000人の選手と6,000人のスタッフ、合わせて約1万5000人ほどが利用します。
🥇 Le Village olympique dans le nord de Paris a officiellement ouvert ses portes jeudi matin, à 8h00 heure locale. Des membres des délégations australiennes, argentines, brésiliennes et kényanes arrivent aux alentours de 10h du matin #AFPVertical ⤵️ pic.twitter.com/0WlQ5ZRqPP
— Agence France-Presse (@afpfr) July 18, 2024
イダルゴ市長「公約通り」セーヌ川で遊泳
今週17日(水)、アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は、セーヌ川で約束通り遊泳しました。
この遊泳は、トライアスロンなどの競技がセーヌ川で行われることに対し、水質が選手の健康を害するなどの批判を受け、「自ら遊泳する」と公言していたもので、これまで数回にわたり水質の改善不十分などの理由でキャンセルされたものです。
市長がどのような形で飛び込むのかがSNSなどで話題になり、「宙返りをして飛び込む」などの噂もたっていましたが、当日は期待に反し、静かに水に入り、運営委員長トニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)氏と共に遊泳しました。
市長のアピール?も遊泳はやっぱり無理、一部の専門筋
オリンピックだけでなく、毎年夏には「パリ市民に開放し遊泳ができるように」という目的でセーヌ川の浄化が行われていますが、一部のメディアでは市長のアピールにも関わらず、いまだに水質は遊泳に適しないと報道しています。
水質、お天気次第
ちなみに、オリンピック競技の開催日に水質が規定値に達していなかった場合は競技が数日延期されますが、別の開催地に変更することはないと発表されています。
一生に一度の大会に参加する世界最高レベルのアスリートにとっては、予定の日程でやるかどうかわからない、というのは辛いものがあります。
彼らがベストなコンディションで参加できるよう、直前に雨が降らないことを祈るばかりです。
執筆:マダム・カトウ