第77回カンヌ映画祭出品作品発表 名誉賞に巨匠ジョージ・ルーカス

2024.04.12

カンヌ映画祭

2024年4月12日(金)、今年で第77回目を迎えるカンヌ映画祭(Festival de Cannes)が、5月14日~25日まで南仏のリゾート地カンヌで開催されます。それに先立ち、昨日11日、今回コンペティション部門に出品される19作品が発表されました。今年はハリウッドの大御所たちが勢ぞろい、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ、ケビン・コスナー、ニコラス・ケイジ、ユマ・サーマンなど、いつも以上にアメリカン映画の存在感が増しそうです。

 

ジョージ・ルーカスにパルム・ドール名誉賞

今年カンヌに訪れるアメリカ勢、まずはあの『スターウォーズ』、『インディアナジョーンズ』の生みの親、今年79歳のジョージ・ルーカス監督に、最終日の25日にパルム・ドール・ドヌール(Palme d’or d’honneur)が贈られることが決まりました。

巨匠コッポラ監督、最新大作でコンペティションにノミネート

そしてハリウッド黄金時代の巨匠、『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』のフランシス・フォード・コッポラ監督の長編最新作『メガロポリス(原題)』がコンペティション部門でプレミア上映されます。

この作品は映画祭ディレクター、ティエリー・フレモー(Thierry Frémaux)が「大切な作品」とコメントするように、今回のノミネート作品のうち最も期待の高い作品と評されています。

今年85歳のコッポラ監督は、カンヌ映画祭の中でもグランプリ、パルム・ドールを2回(1974年『カンバセーション盗聴』と1978年『地獄の黙示録』)受賞した数少ない監督の一人です。

『メガロポリス(原題)』は監督が長い間温めていたプロジェクトで、今回膨大な製作費をかけ世に出されました。俳優のアダム・ドライバー(Adam Driver)、ジャンカルロ・エスポジート(Giancarlo Esposito)が起用されています。

監督ケビン・コスナー、アメリカの物語でクロワゼットにカムバック

俳優のケビン・コスナーは、才能あるアカデミー賞受賞監督、プロデューサーとしても以前から注目されています。今回はコンペティション外のアヴァン・プルミエールで、その作品『ホライズン(原題)』が上映されます。注)クロワゼット(La Croisette)はカンヌの目抜き通り

作品はアメリカ開拓時代の西部劇ですが、フレモー氏によると「コスナー監督は3時間にわたりアメリカの歴史物語を頑固なまでに再訪し」映画にしています。

 

フランスから5作品がノミネート、女性監督数、昨年から減少

フランスからパルムドールを狙うのは、2015年に受賞したジャック・オディアール(Jacques Audiard)、クリストフ・オノレ(Christophe Honoré)、俳優でもあるジル・ルルーシュ(Gilles Lellouche)、デビュー作からノミネート経験のあるアガット・リーダンジェール(Agathe Riedinger)、コラリー・ファルジェア(Coralie Fargeat)の男性3名、女性2名の5監督です。

女性監督のノミネート数が少なすぎるとの長年の批判を受け大幅に増えた昨年23年から一歩後退し、今年は上記2監督に加え、イギリス人のアンドレア・アーノルド(Andrea Arnold)監督、インド人のパヤール・カパディア(Payal Kapadia)監督の合計4名のみ、その割合は全体のわずか20%にすぎません。

 

コンペティション部門、19作品リスト

• 『The Apprentice』、アリ・アバシ(Ali Abbasi)(デンマーク)

• 『Motel destino』 、カリム・アイヌエス(Karim Aïnouz)(ブラジル)

• 『Bird』、アンドレア・アーノルド(Andrea Arnold )(英)

• 『エミリア・ぺレース(原題:Emilia Perez)』、ジャック・オディアール(仏)

• 『Anora』  、ショーン・ベーカー(Sean Baker)(米)

• 『Megalopolis 』 、フランシス・フォード・コッポラ(米)

• 『The Shrouds 』 、ダヴィッド・クローネンバーグ(David Cronenberg)(米)

• 『The Substance 』 、コラリー・ファルジェア(仏)

• 『Grand Tour 』、ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)(ポルトガル)

• 『マルセロ・ミオ(原題:Marcello Mio) 、クリストフ・オノレ(仏)

• 『Caught by the Tides 』 、ジア・ザンケ(Jia Zhangke)(中)

• 『All We Imagine as Light』 、 パヴァル・カパディア(Payal Kapadia)(印)

• 『Kinds of Kindness』、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos) (希)

• 『ラムール・ウフ(原題:L’Amour ouf )』、ジル・ルルーシュ(仏)

• 『ディアモン・ブリュット(原題:Diamant brut)』、アガト・リーダンンジェール(仏)

• 『Oh Canada』、ポール・シュラデール(Paul Schrader)(米)

• 『Limonov – The Ballad』、キリル・セレブレニコフ(Kirill Serebrennikov)(露)

• 『Parthenope』、パオロ・ソレンティーノ(Paolo Sorrentino)(伊)

• 『The Girl With the Needle』、マグヌス・ファン・ホルン(Magnus von Horn)(蘭)

執筆:マダム・カトウ

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