私がフランスに来たばかりの頃。フランス人の友人が、恋人との電話を切る時に Je pense à toi.(君を思っているよ) Je t’aime.(愛してるよ) Bisous.(キス:挨拶の意味) と言っているのを聞いて、こちらが恥ずかしくなっていました。日本人からしたら、記念日か何かでないと言わないような言葉をサラリと言ってのけるフランス人。恐るべしです。
今回はそんなフランス人彼氏の実態をご紹介いたします。
Je t’aime. は毎日何度でも
フランス人は、自分の気持ちや意見を声に出して言います。それは恋愛においても同じこと。相手のことを愛おしいと思った時に言葉で伝えます。毎日毎日 Je t’aime. と言い合っているのもそのためです。
相手を綺麗と思った時には Tu es la plus belle.(君が一番綺麗だよ)、キスをしてほしい時には Bisous/Embrasse moi.(キスして)など、毎日が素直な愛情表現に溢れています。
耳から火が出るような言葉も、彼らにとってはただ自分の気持ちを伝えているだけのこと。たまに頼みごとをする際に Je t’aime. と付け加えられるのは「こういう時に言うなよ」と思いますが。
愛情表現はいつまで続く?
でも「こんなに言われているとありがたみがなくなるでは⁈」「始めばかりで後は言われなくならない⁈」と思うところです。私も始めはそう思っていました。しかし、ロマンチックな言葉は何年たってもロマンチックなことに変わりはなく、いつでも人を幸せにしてくれます。
そして、愛の言葉がカップルから消えることはありません。フランス人はいつまでも相手を恋愛対象として見ています。子供ができても夫婦と赤ちゃんの寝室は別ですし、子供をベビーシッターに預けて二人でデートを楽しみます。時が経過しても恋人としての関係が成立していて、 Je t’aime. が消えることはないのです。
あるフランス人カップルに会った時、お互いを好きなことがこちらにまで伝わって来るほどすごくラブラブで、私はてっきり付き合いたてなのかな?と思っていました。でも実は3年以上付き合ってる長年のカップルでした! 付き合いたてホヤホヤの雰囲気が3年以上続いているなんて、本当に愛に生きる国民なのだなぁと感心したのと同時に、羨ましくもありました。
彼女のスタイルまで管理⁉︎
美しい自然と様々な異文化の中で育ったフランス人。優れた美的感覚を持っているのは確かです。その感覚は人それぞれですが、皆に共通しているのは美しいものが好きということ。女性に対しても同じです。自分がいいと思った相手は、世間的な美人でなくてもその人にとっての絶対的な「美」なのです。 そして自分の好みをストレートにぶつけてきます。
「髪をこのくらい(肩くらいを指差して)まで切ったらきっと似合うよ。」「茶髪なんてダメだよ。黒髪が一番綺麗だよ。」「そのワンピースはマミー(おばあちゃん)みたいだから嫌だなぁ。」「もっと短いスカートの方が絶対似合うよ。」「(他の女の子が来ている服を指差して)ああいう服は来ないの?きっと似合うと思うよ。試して見たら?」などと平気で言って来ます。しかし最後には Comme tu veux.(君の好きなようにしなよ)
若干、いやかなり面倒くさい彼らの注文ですが、もちろん全てを取り入れなくてもOKです。「これは私のスタイルじゃない」と言ってバッサリ切ることもできます。でも要するに、彼にとって魅力的な女性で居続けることが大切なのです。
彼にとっての「美」をキープするために、少しはアドバイスに従ってみてもいいかもしれません。
なんでも話す、なんでも聞く
おしゃべり好きなフランス人は、その日の出来事を話し、そして聞いてきます。大した出来事はなくても、とにかく話してお互いに知ることを大切にします。自分の話が多い人、ジョークばかり言っている人など話し方はさまざま。
前述したように彼らは何でも言葉に出して伝えるので、「言わなくてもわかるだろう」「態度から感じ取ってくれるだろう」という考えは通用しません。空気を読み取ってくれるなんてありません。後になってから、あの時こう思っていたと話しても、何でその時に言ってくれなかったんだよ!となります。
愛の言葉がなくなったら…
しかしこれまでの話はもちろん、相手を愛していることが前提です。どんなに愛していた相手でも、恋が終わればフランス人はあっけなく離れて行きます。基本的に彼らには、日本人のような相手への「情」はないように感じます。もし甘い言葉を言われなくなったら、それは別れのサインかも?
まとめ
「フランス人彼氏=ロマンチックで優しい」という、よく持たれがちなイメージは本当だと思います。それと同時に、恋が終わった後のことを考えると「フランス人彼氏=信用できない」というのも残念ながら否定はできません。
愛を求め恋愛に生きるフランス人彼氏とともに過ごすためには、その言葉を信用して、怠けることなく女性としての魅力を維持する努力が必要です。それが、フランス人女性がいくつになってもおしゃれで美しい理由の一つ、なのではないでしょうか。
執筆 Emi