2023年2月28日(火)、本年度のミシュランガイド(Guide Michelin)の3月6日の公式発表を控え、フランスを代表するシェフの一人で世界中のグルメに愛されるギィ・サヴォア(Guy Savoy)のレストラン「ギィ・サヴォア」(11 quai de Conti, Paris 6ème )が、三ツ星から二ツ星に降格したことがわかりました。ラ・リスト社(La Liste)が「世界一のシェフ」(meilleur chef du cuisine au monde)に6年連続で認定するシェフの降格に、フランス高級レストラン業界では衝撃が走っています。
2002年から11年間三ツ星、フランスグルメ界を代表するシェフ
2002年に三ツ星を獲得して以来、ギィ・サヴォア氏は昨年2022年までの11年間、自身の名前をつけたパリのレストランでミシュランガイドの三ツ星を保持していました。
黒トリュフ風味のアーティチョークスープ(soupe d’artichaut à la truffe noire)で有名なこのレストランは、二度の移転後、現在パリ6区、セーヌ川沿いの18世紀に建てられたパリ造幣局(Monnaie de Paris)内にあります。
このレストランで、世界最高のシェフは1981年の開店から僅か1年で一ツ星、85年に二ツ星を獲得しています。
百科事典にも記載されるギィ・サヴォア
ギィ・サヴォア氏は、フランスを代表するシェフとして1997年よりフランスの権威ある辞書「ラ・ルース」の百科事典版「プチ・ラルース イリュストレ」(Le Petit Larousse illustré)にも記載されており、同氏が最高峰の三ツ星の星を一つ落とし、二ツ星になったことがフランスでどれだけ衝撃的なことかわかります。
昨日、今年のミシュランガイドで星を一つ落とした事を知らされると、「これまで、料理人として最高の時ばかりを過ごしてきた」と振り返りつつ「今年は試合に負けたが、来年また再度(星を)獲得する」と、今年70歳になるシェフは新たな意気込みを表明しています。
今年三ツ星を失ったもう一人のシェフ、クリストファー・クタンソー
西フランスの風光明媚な港町、ラロッシェル(La Rochelle)の海岸沿いにあるレストラン、クリストファー・クタンソー(Restaurant Christopher Coutanceau:Plage de la Concurrence, 17000)も、2020年に獲得した三ツ星から今年二ツ星に降格されました。
この残念なニュースをシェフ、クタンソー氏に伝えたミシュランガイドのグエンダル・プエネック(Gwendal Poullennec)部長は「三ツ星レストランはどれも甲乙つけがたいほど素晴らしい。弊社の審査員がこの1年間、それぞれのレストランに通い、吟味検討した結果です」とコメントしています。
今年降格になったレストラン
今年星を落としたレストランは上記2つのレストランを含め全部で5軒あります。
二ツ星から一ツ星に星を落としたレストラン:
ターブル・ドゥ・ラルパガ(Table de l’Alpaga ) 南フランス、アルプス地方、メジェーヴ(Megève)
シェフ、アレクサンドル・ボール(Alexandre Baule)
ジャン=リュック・タルタラン(Jean-Luc Tartarin) 北フランス、ルアーヴル(Le Havre)、シェフ店名と同じ
ミッシェル・サラン(Michel Sarran)南西フランス、トゥールーズ (Toulouse)、シェフ店名と同じ
2023年ミシュランガイド、公式発表は3月6日
今年新たに星を獲得したレストラン、星を増やして昇格したレストランは、3月6日の公式発表をお楽しみに!
執筆:マダム・カトウ