フランス コロナ新規感染者、前日比マイナス70% 待ち遠しい規制緩和

2022.02.22

フランス 感染者激減、規制解除はまだか?2月22日(火)、フランスにおける新型コロナ新規感染者の激減が続いています。昨日の新規感染者数は18000人を切り、前日比でマイナス70%と大幅に減っています。イギリス政府の一足早い規制解除から、フランスでも規制緩和を待ち望む声が上がる中、ヴェラン保健省は慎重な姿勢を維持しています。

 

入院者数も減少

現在の入院患者数は28,383人、うち重症者は2905人とその数は安定し、過去24時間の死者数は283人となっています。

前日の入院患者数28643人からは260人減ですが、1週間前の31,624人と比較すると3241人減と約10%減少しています。

過去24時間以内の新規入院患者数は1570人でしたが、その前日は495人にとどまっています。集中治療室の入院患者数は前日の2923人から2905人に減り、新規入院も210人とこちらも低い水準となっています。

過去1週間の平均値をその前週と比較すると:

  • 新規感染者数:-24%
  • 集中治療室への新規入院患者数:-22%
  • 入院患者数:-10%
  • 重症者数:-12%
  • 死者数:-14%

となります。

 

ヴェラン保健相、さらなる規制緩和の前倒しは「時期尚早」のワケ

新規感染者数や入院患者数などの重要な数値の減少が順調に進み、感染拡大防止のための規制、特にカフェやレストラン、映画館など人の集まる場所での「ワクチンパスポート提示義務」解除への圧力が高まっています。

しかしながら、規制解除の条件の一つとなっている「国民10万人あたりの感染者数」が未だ1000人もいます。

ヴェラン保健相は、メディアの取材に対し、規制の解除にはこの数値が「少なくとも300から500」に下がらなければならないとし、3月中旬に予定されている規制緩和の前倒しには慎重な姿勢を崩していません。

さらに、感染者が全く免疫を持たない集団の中で何人に二次感染させるかを測る、基本再生産数(R0値)が「1」未満になることも規制緩和の前提となっています。

保健相は、現在のペースで減少が続くと「あと2〜3週間でこのレベルに到達する」と見ています。

ただし、ワクチンパスポートの提示義務に関しては、専門家で形成する科学評議会の意見によっては(解除前倒しの)可能性が「ゼロではない」ことを示唆しています。

4回目のワクチン接種、基本的には「不要」

ヴェラン保健相は、ワクチン接種がフランスにおける感染拡大防止の強力な武器になっており、その効果は「明白」であり、ワクチンパスポート導入は感染減に「貢献している」と述べています。

保健相によると、パスは人の集まる場所で「(ワクチン接種により)守られていない」人に感染リスクが高い事を知らせる役目を果たしています。

4回目のワクチン接種に関しては、「不要」との意見を変えていませんが、重症化リスクの高い人への接種が必要となった場合は「迷わず開始する」と述べています。

オミクロン派生株による再拡大、現時点では「否定」

オミクロン型の派生株で感染力と重症化リスクが高いと言われる「BA.2」株については、「専門家の見解ではこの派生株による感染再拡大のリスクはないとされている」としつつも、今後数カ月で再度感染が広まる可能性については否定していません。

クラスターの中で一人だけ感染しない?

家族全員がコロナに感染したのに自分だけ感染しなかったヴェラン保健相ですが、最近自身も感染したそうです。

これについて保健相は、「クラスターの中で一人だけ感染しないケースはよくありますが、なぜだかははっきりわかっていません。一つ言えるのはそういう状況になると、自分だけが不死身なんだと勘違いするものですが、結局私もかかりましたね」と冗談交じりにコメントしています。

執筆:マダム・カトウ

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