仏検の準1級ではじめて登場するのが和文仏訳の問題です。和文仏訳は、フランス語の作文力はもちろんのこと、実は日本語力も重要になってきます。日本語の意味をきちんと理解していないと適切なフランス語が浮かんでこないからです。
そこで今回は、和文仏訳の問題で取りこぼさないための日本語力について2つのポイントをお伝えします。
仏検準1級・1級で出題される和文仏訳について
仏検の準1級・1級で出てくる「和文仏訳」は、3〜4行の日本語の文章をフランス語に訳すの問題です。
1級は筆記試験100点満点中20点、準1級は80点満点中14点とかなり高い配点です。いかにスペルや文法的なミスなくフランス語が書けるのかが勝負となります。そのためにも語彙力や作文の能力は必須です。
とはいえさほど難しいフランス語の文章を書く必要はありません。ただ日本語の正しい意味が分からなかったり、和文をそのまま直訳してしまったりすると、思わぬところで点を落としてしまいかねません。
日本語の意味を把握しておく
和文仏訳では、そもそも日本語の意味の理解があいまいだと答えられないことがあります。
たとえば、過去に出題された文章の中に「いそいそと出かける」という表現がありました。この「いそいそと」の意味がわからないと、適切なフランス語は浮かんできません。
この言葉がどのような場面で使われるのかを考えてみましょう。「いそいそと」とは、うれしくて心が浮き立つこと、動作がはずむこと。つまり「喜んで」「嬉しそうに」といった意味を持つフランス語の表現を使って解答しなければなりません。この場合、“sortir tout heureux” や “sortir avec joie” などが正答になります。
このように和文仏訳では正確に日本語の意味を捉えて、それに当てはまるフランス語を見つけ出すことが大切です。
日本語とフランス語のニュアンスの違い
日本語とフランス語のニュアンスの違いからミスしやすい表現もあります。
例として「友人と遊ぶ」という日本語で考えてみましょう。ここでの「遊ぶ」のニュアンスは、フランス語の jouer とは一致しません。「友人と出かける」と別の言葉に置き換えて、フランス語を見つける必要があります。ですから「友人と遊ぶ」は、フランス語では ”sortir avec mes amis“ のほうが適切です。
日本語に引きずられてうっかり意味の同じフランス語の単語を使ってしまうと、表現したい文章とは違うものになってしまうことがあるので気をつけてくださいね。
発想の転換も鍛えよう
和文仏訳問題で大切なのは、和文が伝えていることを正確に理解したうえでフランス語に置き換えること。そのためには日本語からフランス語にする際に発想の転換も必要になってきます。
日本語をシンプルに考えたり、フランス語独特の表現を覚えたりしながら、フランス語作文に慣れていきましょう。
アンサンブルアンフランセでは、仏検準1級以上に対応したレッスンが可能です。分からないところはレッスンで講師に質問して、仏検に向けて準備を整えてくださいね。
執筆:こと