「年を重ねても美しくありたい!」多くの女性が抱く願望、もちろんフランス人女性達もしっかり持っています。では、年齢と共に受け入れなければいけない白髪とはどう付き合っているのでしょうか。今回はフランス人女性の髪のカラーリングにスポットを当ててレポートいたします。
フランス人女性も悩む白髪のカラーリング
メイクなどは自然体を好む傾向があるフランス人女性ですが、髪の毛に関しては保守的な考えを持っていると感じます。
50代になったばかりの友人は「もう白髪を隠すためのカラーリングをやめようと思っているのよね。グレイヘアだって女性の持つ美しさは表現できると思うのよ。」と言っていました。日本でも、カラーリングより自然なグレイヘアを選択する人が増えていることを伝えると、彼女はとても満足そうな様子。
しかし、「転職時や取引先とのやりとりで自己アピールするのに、白髪が多いと活動的な印象が与えられないから悩んでいるのよ。」とのこと。このように、白髪のあるヘアを自然な美しさと捉えながらも、仕事がスムーズにいくという理由で仕方なくカラーリングを続けている女性達もいるのです。
フランスのヘアカラー事情『セルフor美容院』
フランスでもセルフ用カラーリング商品がバリエーション豊富に販売されています。セルフカラーと美容院でのカラーリングについて紹介します。
1.セルフ用のカラーリング商品を選ぶポイント
大型スーパーのカラーリングコーナーにはセルフ用のカラー剤が種類豊富に取り揃えられ、その数の多さに驚きます。さまざまなルーツを持つフランス人達は髪質もそれぞれで、クリクリのカールヘア、栗色の毛、明るいブロンドなどバラエティに富んでいます。
人物を描写するときにも「あの赤毛の子ね。」など髪の毛をヒントにするほど、第一印象で目立つところなのでしょう。大手化粧品メーカーのパッケージはほとんどが女性の顔写真で、女性雑誌の表紙のような印象です。
オーガニックショップのカラーリングコーナーにも、種類は限られますが商品を見つけることができます。こちらのパッケージは、植物や女性の顔のイラストなど控えめな印象です。
お手頃価格のカラーリング剤はケミカルな配合が多いため、白髪を染めたい世代は肌に負担の少ないオーガニックのカラー剤を選ぶことをおすすめします。カラーリングをイメージチェンジの1つとして楽しむ若い世代も、なるべく肌に優しい製品を選んでください。
2.美容院でカラーリングをするメリット
色の選び方は目の色ではなく、肌の色に合わせて決めていくのがフランス流。眉毛や顔の骨格も大切なポイントになります。カラーリング前に美容師さんとしっかり相談してください。
お店でカラーリングしてもらうとお金はかかりますが、あっという間にきれいに仕上げてくれるので助かります。フランス人女性達も、月1のカラーリングは必要経費として考えているようです。料金はは、カット代より1割程多いそうです。
「ブロンドヘア」が持つ2つの意味とは?
フランスにおけるブロンドヘアの意味付けは2つの側面を持っています。
1つは、ブロンドヘアは美しい女性の象徴というイメージがメディアによって根付いているということです。フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブ ( Catherine DENEUVE ) や、60年代のフランスの美の象徴ともいえるブリジット・バルドー ( Brigitte BARDOT ) も髪の毛をブロンドヘアにしてから爆発的に人気が出たと言われています。
2つ目は、何か小さなミスをしてしまったとき « Je suis une blonde. »「私、ブロンドヘアだからさ。」と言う表現があることです。「ブロンドへアの子は少し頭が抜けている」という意味合いです。
この言葉はブロンドヘアの人が使うには許容されますが、それ以外の人が使用すると侮辱的な表現になってしまうので要注意です。どちらもメディアが作り上げたブロンドヘアのイメージであることはみな理解しています。
まとめ
フランス人女性達は「美しくいることと、若々しく装うことは同じではない」と考えているようです。白髪を隠すためにカラーリングするのではなく、自分をより自然に美しく見せてくれるヘアスタイリングを模索中なのですね。
執筆 YUKO