5月14日(金)、新型コロナ感染第3波の最中のフランスですが、新規感染者数が減少に転じました。4月中旬のピーク時の4万人から半減し、現在2万人を切っています。重症者総数も、ロックダウン解除の条件となっている5000人を切り、現在4,442人です。一日平均300人いた死者も200人前後に激減しています。英米に比べ「遅い」と非難されていたワクチン接種もペースを上げ、現在国民の28%が第一回目の接種を終えています。
1850万人が1回目の接種終了、もうすぐ国民の3割に
昨年12月27日の接種開始から約5ヶ月が経ちましたが、当初ワクチンの供給不足により遅々として進まなかった接種は、ようやくペースが上がりもうすぐ人口の3割に到達します。
接種は基本的に年齢層ごとに進められています。
現在の接種対象年齢は50歳以上ですが、少なくとも1回の接種を受けた人の年齢別の割合は:80歳以上(73%)、75〜79歳(83%)、70〜74歳(78%)、65〜69歳(64%)、60〜64歳(57%)、50〜59歳(36%)となっています。
50歳未満の年齢層でも、医療関係者及び重症化リスクのある基礎疾患がある人は早くから優先接種の対象になり、また、エッセンシャルワーカーや高リスクの職業の従事者も順次優先対象になっています。
現在までで、40〜49歳(17%)、30〜39歳(11%)、25〜29歳(9%)、18〜24歳(5%)が少なくとも1回の接種を終えています。
今週12日(水)より18歳以上のキャンセル待ちによる接種が開始されており、今後若年層の接種もペースが上がっていくと予想されます。
2回目の接種終了、全体の半数以下
一方、2回目の接種を終了した人の数は13.5%に留まっています。
2回目の接種率の低さについては、ワクチンにより効果がより長く続く事やワクチン供給不足から、当初21日から28日後とされていた2回目の接種が、3ヶ月後に引き伸ばされた事が要因となっています。
1日65万人接種、ワクチン供給増で
接種回数は上がる一方で、過去1週間平均で48万回、5月11日に過去最高の657,000人を記録しています。
このペースで接種が進むと、今月17日には2千万人に到達し、6月中旬に3千万人、この夏までには国民の50%が少なくとも1回目の接種を終えることになります。また、フランスの18歳以上の全成人が接種を終えるのは12月上旬と予想されています。
接種が急ピッチで進み出した要因として、ワクチンの供給が増えた事が挙げられます。5月中に1600万回分、6月には3000万回分が納品されます。
特にファイザー社のワクチンは、毎週350万回分が供給されることになっています。同社のワクチンは特に人気が高く、供給量の95%が使用されています。また、1回の接種で済むジョンソン&ジョンソン社のワクチンは5月ー6月で700万回分の供給が行われます。ファイザー社と同じRNAメッセンジャー技術で作られたモデルナ社のワクチンは、今月24日より薬局での接種でも使用されます。
ヴェラン保健相、自ら接種でワクチン接種アピール
神経内科医の資格を持つヴェラン(Olivier Véran)保険相も自ら接種し、ワクチン接種をアピールしています。
執筆:マダム・カトウ