本日2月25日(火)、フランスではマルディグラ(Mardi gras)という、キリスト教のカトリック教会のお祭りが行われます。この日は子供たちが仮装をして、ドーナッツやクレープなどのお菓子を食べる風習があります。
“マルディグラ”とは?
マルディグラとはフランス語で「肥沃な火曜日」の意で、謝肉祭(Carnaval)の最終日のことです。
マルディグラには各地方でドーナッツ、クレープ、ワッフル、ビューニュ(砂糖をまぶした揚げ菓子)などの美味しいお菓子の他、肉をたらふく食べるのが習わしです。カトリック諸国では春に祝われる復活祭(Pâques)の日まで食事の節制をしなければならない四旬節(しじゅんせつ/Carême)という期間があるので、この期間の前によく食べ、楽しもうということでこの風習が始まりました。
謝肉祭はフランス語でカルナヴァルと呼ばれ、語源となったラテン語では”肉を断つこと”を意味します。また、マルディグラは種族の繁栄や自然の再生を表しているという説もあります。
かつてのマルディグラ
昔、まだ産業の中心が農業だった時代には、冬になると食料の蓄えが不足しがちでしたが、保存しやすい卵やバターは冬でも入手できました。そこでマルディグラでは、それらを使ったクレープやワッフルが食べられるようになりました。
また、復活祭の前の四旬節には食事だけでなくダンス、祭り、性交など様々な楽しみが制限されていました。そこで、中世には四旬節が始まる前のマルディグラにお金持ちが貧乏人の恰好をしたり、男性が女性の恰好をするなど、社会的な秩序を転換するような催しが行われるようになったといいます。
マルディグラに見られる仮装の由来
今日、マルディグラを含む謝肉祭では仮装をする光景が見られますが、これは十一世紀にイタリアのヴェネツィアで生まれたとされています。当時の権力機関は辛い四旬節が始まる前に民衆の気持ちを高めようとしてこの祝祭を推奨しました。そして十三世紀にはマスクを使った仮装が行われるようになります。これによって匿名性が増し、人々は羽目を外すことができました。
このイタリア式の祝い方は特に中央ヨーロッパの地域(スイス、西ドイツ、ベルギー、フランス北部)とアメリカに広まりました。今日ではどんな仮装をすることもでき、人々はそれぞれ思い思い衣装を身につけてマルディグラを祝っています。
マルディグラの日付はどう決まるか
マルディグラは復活祭の日に影響を受ける移動祝祭日です。復活祭は「3月21日以降の最初の満月の日の次の日曜日」に行われるため、毎年日付が変わります。マルディグラはこの復活祭の47日前に行われます。2020年のマルディグラは、本日2月25日に開催されます。
2021年以降のマルディグラ
2021年2月16日(火)
2022年3月1日(火)
2023年2月21日(火)
2024年2月13日(火)
2025年3月4日(火)
この時期にフランスに滞在している方は、是非参加してみてはいかがでしょうか。
執筆・Shunsuke