2026年1月27日(火)、フランス国民議会(Assemblée nationale)は26日、15歳未満のSNSの利用を禁止する法案を可決しました。この法案が元老院(セナ:Sénat)で可決すると、昨年12月に世界で初めて16歳未満のSNS利用を禁止したオーストラリアに次いで2番目となります。一方、この法案のもう一つの目的である、リセ(Lysée:高校)でのスマートフォンの利用禁止については、全面禁止ではなく利用場所の限定にとどまっています。
フランス政府、9月から禁止に法整備急ぐ
未成年保護の一環となる15歳未満のSNS利用禁止法案は、国民議会にて賛成116、反対23の圧倒的多数で可決されました。法案は早くも2月中旬にセナで審議され、政府は新学期からの導入を予定しています。
ルネッサンス党(Renaissance)議員、ロール・ミレール(Laure Miller)が提出したこの法案が施行されると、9月1日から15歳未満のSNSの新規登録が禁止され、さらにSNS各社は禁止の対象となる既存のアカウントを来年12月末までに削除しなくてはなりません。
また、2027年1月1日より、年齢確認が可能なシステムの導入が義務付けられます。
対象となるSNSは?
15歳未満の使用禁止対象として現在名前が挙がっているのは、Instagram、TickTok、Snapchat、X 、facebookですが、法施行の際に正確な対象アプリのリストが発表されます。
メッセージアプリWhatsAppおよびYouTubeに関しては、使用に際し親の許可が必要になります。
年齢確認、どうやって?
現在フランスでは、13歳未満のSNSの利用は禁止されていますが、生年月日さえ偽れば容易にアカウントを作成することができるため、年齢確認の不備が指摘されていました。
年齢確認に2つの方法が有力視されています。一つは「身分証明書」のアップロードを義務付ける、もう一つは「顔認証システム」をアカウントの作成に追加し「ユーザーの年齢を推定させる」というものです。
後者に対し、一部の専門家は「顔認証による年齢判断は、大まかな年齢層の仕分けには使えるが、14歳と16歳の子供を区別するほどの精度はない」と指摘しています。
フランス政府は、禁止から2ヵ月で500万アカウントを削除させたオーストラリアの事例を参考にしており、採用される方法は施行までに具体化されます。
SNS中毒、深刻化する未成年への悪影響
10代の子供のSNS利用は、すでに多数の弊害をもたらしています。
他者との過剰な比較や、さまざまなサイバーハラスメント被害をはじめ、暴力的なコンテンツへの曝露、バーチャルの世界にとどまることで、現実社会における社交性が育まれないなどの問題が起こっています。
さらには、運動不足、集中力が著しく欠落し、不眠症に陥るといった体への悪影響も指摘されています。
リセでの全面使用禁止には至らず
学校でのスマートフォンの利用や未成年の「スマホ依存」の高さが、子供の健やかな成長を妨げると以前から問題視され、すでに昨年から小中学校での使用は禁止されています。
リセに関しては、今回の法案も教室内や廊下での使用は禁止されるものの、休憩時間に校庭内に決められた場所のみでの使用を認める、にとどまっています。
EU法との適合性が争点、欧州初の施行なるか?
今回の法案審議で、社会党議員が「未成年に対し過剰な商業広告の表示を禁止」さらに「身体的精神的健康を害する可能性のある商品の宣伝を禁止」といった条項の追加を要求し、僅差で可決されました。
これに対し、SNS使用年齢制限のみの法案を提出したミレール議員は、「この追記がEUのデジタル法に適合しておらず、可決した法律が施行されない可能性がある」と、この採択への遺憾を表明しました。
フランス政府はすでに今回と同様のマルカンジェリ法(loi Marcangeli)を2023年に可決しましたが、当時EU法との適合性がないと欧州委員会から突き返され、施行に至っていません。
執筆:マダム・カトウ












