複雑なパリをスマートに移動できる、快適手段と便利アプリ

2021.07.12

凱旋門と地図をみる女性

パリにはさまざまな観光スポットがあり、滞在中は可能な限り沢山の場所に足を運びたくなりますね。それにメトロやバスなどの公共交通機関が発達しているので、基本的に短時間でどこへでもいけちゃいます。

ただ、いろいろな路線やたくさんの乗り場があって、便利な反面ちょっぴり複雑なのも事実。道に迷って予定が狂ってしまった…なんてことは避けたいですよね?

今回は誰でもパリを不安なく・最短時間で・自信を持って移動できる、パリに旅行するなら知っておきたい移動手段や、とっても便利なアプリをご紹介します!

 

パリのメトロ、バス、トラム乗り放題 Navigo

パリ内をスマートに移動するために欠かせないのが Navigo(ナヴィゴ)。機械にかざすだけで、パリのメトロ・バス・トラム(路面電車)などに乗れる優れもの。通勤・通学の際の必須アイテムですが、旅行中パリをアクティブに移動したい皆さんにもお得なアイテムです。
※以前はNavigo découverte という名前でしたが、現在はNavigoに変更になりました。

Navigo で気をつけるべき点は

Navigo は利用料金を一度チャージすれば、パリ・パリ近郊の公共交通機関(地下鉄、バス、トラム、RER、電車)が乗り放題になるカードです。利用期間は一日、一週間、一ヶ月間の中から選ぶことができます。

一週間 Forfaits Navigo Semaine の場合は月曜日から日曜日まで、 一ヶ月間 Forfaits Navigo Mois の場合は毎月1日から月末まで、と乗り放題開始の日が決まっているので、損をしてしまわないように気をつけてください。

また、パリとその郊外は1~5のゾーンに分けられていますが、チャージする際にはすべてのゾーン、もしくは隣り合った二つのゾーンのどちらかを選ぶことができます。1~3、2~4などを選択することはできません。

ちなみにパリ市内はゾーン1、ヴェルサイユ宮殿 Château de Versailles はゾーン4。シャルル・ド・ゴール Charles de Gaulle 空港はゾーン5です。

基本的にパリ市内のメトロは、一度改札に入ってしまえばどのルートを使ってもどこでも降りてもOK。90分以内であれば、メトロとRER間の乗り継ぎも可能です。

例えば「7番線のオペラ Opéra から 7番線のマリー橋 Pont Marie まで」だろうと、「1番線のバスティーユ Bastille から9番線のポルト・ド・サン=クルー Porte de Saint-Cloud まで」だろうと、値段は一律! 乗れば乗るほどお得になるアイテムなのです。

空港との行き来や、ベルサイユ宮殿などのパリ近郊へお出かけすることがある場合は、チケットを購入したほうが良いか Navigo を利用したほうがいいか計算して、うまく活用してくださいね。

切符をチャージする Navigo Easy

切符や10枚セットのカルネ(Carnet 回数券)を、紙ではなくカードにチャージできるのが Navigo Easy(ナヴィゴイージー)。毎回切符を買ったり、お財布から取りだしたりといった手間を省きたい人におすすめです。

Navigo を作る際は証明写真が必要

Navigo、Navigo Easy ともに、最初にカードを作る際は各駅にある窓口に申し出る必要があります。Navigo を作る際は「証明写真」が必要です(Navigo Easy では不要)。ほとんどの駅に証明写真機がありますので、あらかじめ持っていく必要はありません。

滞在中、公共交通機関を駆使したい皆さんは、ぜひ自分の Navigo を手に入れてみてくださいね。

スマホアプリで支払うシステムも

また、最近ではパリのメトロでもチケットレス化が進んでおり、Navigoのスマートフォンアプリを使って改札通過ができるシステムもあります。ご自分にあった方法で、メトロを乗りこなしてくださいね。

 

今すぐに、確実に目的地へ行けちゃうアプリ Uber

いまや世界中で利用されている Uber(ウーバー)。パリ市内の移動でも大活躍です。ウーバーと聞くだけで,
難しそうと敬遠してしまう方も多いかと思います(私も初めはそうでした)が、実は使い方はとても簡単!

①Uber のアプリをダウンロード
②目的地を入力
③最寄りにいる Uber の車を選択(この時、自分のもとへ到着する時間や料金もひと目で確認できます)

この3ステップで簡単に乗車できてしまうのです。

タクシーよりも使いやすいと感じる点は、アプリ上で目的地の指定をするため、運転手に行き先を告げる必要がないこと。また支払いもアプリ上で完結するため、利用料金がはっきりしていて運転手と現金のやり取りをすることがない、というところです(車の到着前に確認のため運転手から電話がかかってくることもあります)。

特にパリ市内はいたる所で Uber が走っているので、タクシーよりスムーズに車を捕まえられることも多いです。まるで自分専用のタクシー! 使いこなせると、いざという時にとっても便利&安心ですよ。

トラブルには十分に注意!

ただし、ご注意を。残念ながら Uber は乗車時にトラブルが多発しているのも事実。特にアジア人観光客はスリの対象になりやすかったり、客のスマホを勝手に操作してチップ分の料金を上乗せされるなどのぼったくりにあったり、ドライバーと揉めて不快な思いをしたり…といった話を耳にすることもあります。

出来るだけ女性は一人で乗らない、深夜には利用しない、フランス語のわかる人と乗車するなど、Uber を利用する際は十分お気をつけくださいね。

 

リーズナブルで快適な Trottinette électrique(電動スクーター)

パリ市内にはいたる所に電動スクーター(キックスケーター) Trottinette électrique があります。街なかで見つけたらその場ですぐ乗れて好きな場所で降りられるので、観光客にもパリ市民にも大人気。わざわざ電動スクーターのステーションまで取りに行ったり、返しに行ったりという作業は不要なのです。

この利用手順もとっても簡単。クレジットカードさえあればその場で登録が可能です。

①アプリをダウンロード。レンタル電動スクーターを提供している会社は LimeBIRD など複数あります。
②登録(クレジットカード)と必要があればお金のチャージ
③アプリのマップで利用可能な電動スクーターの所在地を確認。今いる場所から一番近くにある電動スクーターを素早く見つけることができます。
④徒歩で移動し、見つけたらハンドル部分についているQRコードを読み取り使用開始!
⑤使用後は好きなところで乗り捨て可能。止めたところで電動スクーターの写真を撮って完了!

慣れると非常に便利。電車やバスに乗るほどでもないけれど、歩くにはちょっぴり遠い…そんな時に大活躍の乗り物です。

罰金も…走行規制には注意!

ただ、ここで注意。走行に関する政令が19年に交付され、規制が厳しくなりました。

歩道での利用禁止、二人乗りや横並び運転の禁止、速度制限(パリ市内では20km/h)、12歳以下の利用禁止などが挙げられています。知らなくても違反すると、旅行者でも問答無用で高額な罰金を取られてしまいます(※地域により規制が異なりますので、ご自身での確認も忘れずにお願いします)。

気軽でパリ観光には最適な電動スクーターでの移動ですが、近年モラルの欠如やマナーの悪さが社会問題にもなっています。使用する際は、安全上の注意や他の人への配慮をしっかり心がけてくださいね。

 

あらゆる手段で目的地まで導いてくれる City Mapper

最後に、現在地から目的地までの最速アクセス方法を簡単に教えてくれるとても便利なアプリをご紹介!

それは City Mapper。このアプリの良いところは、さまざまなアクセス方法の中から、「今この時間に」目的地に向かうための最適な方法を提示してくれるところ。メトロ・バス・徒歩・Uber・自転車・電動スクーターといったさまざまな方法の中から、いくつかの方法を提案してくれます。

例えば、バスティーユ駅からテュイルリー公園 Jardin des Tuileries までの行き方を検索すると…

歩くと42分(結構ありますね…)。メトロだと1番線で14分であることがわかります。

メトロ乗車時間は7分で乗り換えは無し。電車を降りてからは5分でテュイルリー公園に到着。目的地に一番近い出口も教えてくれますよ。

降りるバス停が近づいたら教えてくれる

この City Mapper が特に便利だと感じるのはバスの乗車時。パリにはたくさんのバスがあり非常に便利です。ただ路線やバス停が多いぶん、自分が今どの辺にいるのかをしっかり把握していないと、降りるべきバス停を通り過ぎてしまわないか不安ですよね。

でもこのアプリでは、自分が今どのバス停を過ぎたあたりにいるのか分かりやすく提示してくれるので、乗り過ごす心配もありません。アプリを閉じていても、ポップアップで目的地周辺であることを教えてくれます。

ストや非常時にも役に立つ

パリはストライキ Grève がとても多い国。2019年にも大きなストライキがあり、メトロなど多くの公共交通機関が止まり移動が非常に困難な期間がありました。

そんな時にも City Mapper は力を発揮してくれます! ストライキで運行していないメトロを避けたアクセス方法を提示してくれるのです。

この場合は、5番線と7番線と10番線はストライキで動いていないので、63番のバスで行く方法と、1番線と4番線を乗り継ぐ方法(ただし4番線は本数が少ないなど注意が必要)があることがわかります。

その他、一過性のトラブルによって使えない電車が出てきた時にも、止まっているその電車を避けた最善の策を提示してくれます。アクシデント発生時にこそ頼りになるアプリです。

パリ市内を縦横無尽に!

どんな時でも場所移動はスムーズに行いたいもの。皆さんもさまざまな方法をマスターして、パリ市内を縦横無尽に、そしてスマートに移動してみてくださいね。

Bon voyage!

執筆 YONNE

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