本来の「平和的な黄色いベスト運動」を! 各地で女性だけの「黄色いベスト運動」

2019.01.08

燃料税引き上げに端を発し、過激さを増している黄色いベスト運動(Manifestation des Gilets Jaunes)は、今月に入り8回目が行われましたが、6日(日)、フランス各地で女性だけによる「平和的な」黄色いベスト運動が行われ、黄色いベスト運動を本来あるべき姿に戻そう、と声を上げました。

 

収まらない過激な行動

年末には一旦参加者の減少の兆しが見られましたが、年が明けた1月5日(土)に行われた黄色いベスト運動では5万人が参加し、一部が暴徒化し警官隊と衝突、一部の集団がフォークリフトで政府庁舎の門を突き破り内部へ侵入しました。バンジャマン・グリヴォ(Benjamin Griveaux)政府報道官が避難するなど、大きな混乱が生じました。

グリヴォ報道官によると、集団は近くの作業現場にあったフォークリフトを使い庁舎の門を破り内部へ侵入、車両や窓を破壊したのち逃走したということです。現在警察が防犯カメラの映像などから犯人の特定を急いでいます。

グリヴォ報道官はこれに対し「共和国に対する許すまじき攻撃」と強く非難しています。

 

声を上げた女性たち

こうした、次第に過激化し目的を見失いつつある状況に対し、女性たちが声を上げ始めました。

平和的な抗議活動を

6日、黄色いベストを着用したおよそ500名の女性が、パリ12区にあるオペラ・バスティーユ(L’Opéra de la Bastille)前の大階段に集まり、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」を合唱、黄色い風船を持ち「平和的に」周辺を行進しました。車両の通行などを妨げたため、警官隊が出動し小さな小競り合いはありましたが、大きな混乱には発展しませんでした。

参加者らはお互いに手をつなぎながら行進し、政府への抗議と共に、暴力的な抗議行動をやめ平和的な黄色いベスト運動を、と呼び掛けました。

全てを混同してはいけない

参加者の一人は「本当に社会を変えたいと行動している人と、ただ破壊行為をしている人、それぞれ全く違う。それらを決して混同してはいけない、と示すためにこの場にいる」と話しました。また、女性の存在をアピールし、女性も社会を変えることができると話す参加者もいました。

メディアは暴力的一面しか報道しない

「私たちがこの行動をとったきっかけは、報道は破壊行為ばかりを取り上げるため、問題の本質を忘れてしまう。(そうならない為)にも暴力とは別の方法が必要だった」と、フェイスブックの「女性の黄色いベスト運動(Femmes gilets jaunes)」グループ創設者の一人であるカレン(Karen)さんは話しています。

 

フランス各地で同様のデモ

女性による黄色いベスト運動は、フランス南西部のトゥールーズ(Toulouse)や北西部のカーン(Caen)などでも行われ、トゥールーズではおよそ300名の女性が集まり、暴力ではなく平和的に抗議行動を行いました。

暴力的な側面ばかりが注目される黄色いベスト運動ですが、今後どのように変わっていくのでしょうか。

執筆:Daisuke

 

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン

Classement