破壊行為は厳罰化へ フィリップ首相、無届けのデモを罰則強化の意向

2019.01.09

7日(月)夜、エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、届け出無しで行われているデモを厳罰化する考えを表明しました。11月中旬から毎週末行われ、破壊行為が繰り返されている黄色いベスト運動(Manifestation des Gilets Jaunes)を受け、破壊行為だけでなくデモそのものを取り締まっていく方針です。

 

デモの届け出は必須であることを強調

届け出が必須であることを強調するフィリップ首相

フィリップ首相は、7日に出演したテレビ番組の中で、「フランスの民主主義において、自由にデモができるというのは非常に有利だ。ただ、現在の政治体制の下では、デモをする自由が適用されるためには、届け出をしなければならない。あなたがもしデモの主催者なら、届け出をする必要がある」と述べ、デモの届け出が必須であることを強調しました。

更に、「二つのタイプのデモがある。一つは届け出がされているもの。これは非常にうまくいっている。もう一つは届け出されていないもの。我々が見たところこちらは氾濫している。」「私たちは、デモを行う自由を守らなければならない一方、この(届け出をするという)単純な義務を守らない人を処罰しなければならない。」と続け、現在届け出をせずに行われている黄色いベスト運動を非難しました。

無届けのデモの処罰を強化

現在でも、届け出をせずにデモを行った場合、主催者に対して禁固6か月、7,500ユーロ(およそ94万円/1ユーロ:125円計算、2019年1月9日現在)の罰金が科せられますが、処罰されず黙認されることがあります。

現在行われている黄色いベスト運動は、インターネットのソーシャルネットワークサービス(SNS)などを通じて呼び掛けられていて、そのほとんどが届け出がされていません。こうした現状から、無届けで行われるデモの主催者に対し、破壊行為などによって生じた損害の賠償、さらに暴力行為の民事責任を問うなど、罰則を強化することで、沈静化を図りたい考えです。

破壊行為をしたものはデモ参加禁止

また、フィリップ首相は「破壊行為は容認できない」と語り、破壊行為に加わり「暴徒」と認定された場合には、デモ参加を禁止する考えも示しました。この罰則強化法案は来月初頭に国会へ提出することを明らかにしました。

 

主催者は誰か

きっかけは、1名の女性がオンライン署名を行い、そして男性2名がフェイスブック上で最初のデモを呼びかけて始まった黄色いベスト運動ですが、回を重ねるごとに、週末にデモが行われることが常態化し、主催者が誰かわからない、いわばリーダー不在のデモへと発展しているのが現状です。

この罰則強化の法案がはたして黄色いベスト運動の足かせになるのか、今後の展開が待たれます。

執筆:Daisuke

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