フランス語の新聞は、読解力や表現力をアップするのにもってこいの教材です。せっかくフランス語を勉強しているのだから、最新のニュースに触れながらフランス語圏の時事についての知識も深めましょう!
とはいえ、どんな新聞を読んだらいいか迷われている方向けに、フランス語の新聞の種類を紹介します。
フランスでは新聞は売店で購入が基本
日本では毎朝、新聞屋さんが各家庭に新聞を届けるのが普通です。一方フランスでは、このような配達サービスは一般的ではありません。
街中のキオスク(kiosque)や駅のコンビニ「relay」などで各自、購入するのが普通です。値段も300円前後と、日本の新聞より高いです。
有料で販売される新聞は、日本よりも大衆的ではない面があります。
地元のちょっとしたニュースや、スポーツの試合結果などをチェックするには、フリーペーパー(presse gratuite)を活用する人が多いですね。
手に入りやすいフリーペーパー
フランスのフリーペーパーは、大手メディアが発行している点が特徴です。
例えば『Metronews(メトロニュース)』はテレビ局のTF1が、『CNews Matin(シーニュース・マタン)(2017年までは「Direct Matin(ディレクト・マタン)』)は新聞社のLe Monde(ル・モンド)が作成しています。この他にも『20ミニュッツ(20 minutes)』などがあります。
地下鉄の駅などに置いてあるので、気軽に読むことができます。各紙とも、インターネット上のサイトでも記事を読むことができますので、是非読んでみてくださいね。
フランス語学習には、どの新聞を選ぶべき?
フリーペーパーの手軽さには勝てませんが、新聞を活用して読解力や表現力を上げたい、という学習者には、ずっしり記事が詰まっている有料新聞をおすすめします。
日本からも、インターネットで読むことができ、月に数本は無料で読めるサービスもあります!
定番かつ伝統的な二紙
フランスの新聞といえば、『ル・モンドLe Monde』と、『ル・フィガロLe Figaro』でしょう。どちらもエリート層が読む「高級紙」に分類され、文章も難易度が高いです。
『ル・モンド』が左派、『ル・フィガロ』のほうが保守的といわれることもあり、政治や社会については読み比べてみると趣向がはっきり分かります。
どちらもインターネットのサイト上では、有料会員でなくても読むことが出来る記事がいくつかあり、また有料会員でなくても記事の途中まで読めるものも多数ありますので、是非一度トライしてみてくださいね。
読みやすいのは?
『ル・パリジャン(Le Parisien)』は、日本でいう『東京新聞』や『中日新聞』『琉球新報』のような、パリで発行されている地方紙です。『ル・モンド』や『ル・フィガロ』よりも読みやすいニュースが多いのが特徴です。
ラグジュアリーブランドのLVMH(Moët Hennessy – Louis Vuitton/ルイ・ヴィトンやクリスティアン・ディオールなどのブランドを運営)が発行しています。
テーマ別の新聞
スポーツ記事を中心に扱うのが『レキップ(L’Equipe)』。サッカーやラグビー、テニスのファンであれば、日本のメディアでは取り上げられない試合の詳細などをチェックできますよ!
経済新聞といえば、『レゼコー(Les Echos)』です。日本経済新聞のような新聞で、もちろん経済分野以外の記事も充実しています。日系企業の情報なども載っているので、親しみやすいですよ。
外交に興味のある方は、『ル・モンド・ディプロマティック(Le Monde diplomatique)』や、日本語版もある『クーリエ・アンテルナショナル(Courrier international)』が定番です。
フランスから見たアジアや世界の動向を勉強できます。
テレビのサイトの記事も読んでみよう
新聞に特化してご紹介してきましたが、テレビのニュースサイトにもたくさん読み応えのある記事があります。
『Franceinfo(フランス・アンフォ)』や『LCI』など数多くのサイトでも、ニュースを読むことができます。最新のフランスの情報をフランス語で学習できますので、是非活用してみてくださいね。
読み比べが楽しい!
いろいろな新聞を紹介しましたが、筆者がおすすめするのは「読み比べ」です。
ウェブサイト上では無料公開されている記事数に制限がかけられていることも多いのですが、タイトルを見るだけならいくらでも無料。
日本でも話題になっているニュースや、逆に日本では報道されていないニュースを見つけたら、他紙でも同じように取り上げられているか確認してみましょう。
そうすると、そのニュースがフランスでどれほど話題になっているのかが分かります。読み比べているうちに、新聞ごとの特徴がつかめてきて、ニュースをチェックするのが楽しくなるはずです。
また、このような新聞は、フランス語の検定試験であるDELFやDALFでも題材にされることが多く、フランス語学習には最適です。
まとめ
日本のドラマでよく見かける、”朝食時には新聞”の風景はフランスには珍しいのかもしれませんね・・・。
しかし、フランスにも新聞を読む文化は根付いており、この記事でご紹介したように様々な新聞があります。伝統的な『ル・モンド』『ル・フィガロ』の他にも、色々と読み比べて、お気に入りの新聞を見つけましょう!
執筆あお