17日(火)、国民議会で、エドゥアール・フィリップ(Édouard Philippe)首相によって提出されたフランス国鉄(SNCF)の改革法案に対する投票がおこなわれ、賛成が大多数で採択されました。
この改革法案の主な争点は、
1)SNCFの完全国有化による経営統一
2)国内路線における他国鉄道企業の参入自由化
3)鉄道員の特権の見直し
の3点で、特に鉄道員の特権の見直しに対してSNCFの労働組合が反発し、4月から6月までの3ヵ月に及ぶ大規模ストライキが実施されています。
この投票では、改革案への賛成が454票、反対80票、棄権29票で、改革案への賛成が圧倒的多数を占めました。
この内、中道派や中道右派である、LREM (La République En Marche ! 共和国前進)の議員は、副議長を務めているポール・モラック(Paul Molac)氏の棄権1票を除くすべてが賛成票を投じました。同じく、LR(Les Républicains 共和党)の議員は事前の予想どおり、賛成74票、反対24票を投じ、棄権が2票でした。Le Modem(Le Mouvement démocrate 民主運動)の議員も棄権1票を除き全員が賛成票を投じました。
一方左派勢力であるLa France Insoumise(屈しないフランス)とNouvelle Gauche(新左翼)の議員たちは反対票を投じました。
今回の新しい法案が施行された後は、新規に採用される社員は新しい枠組みでの雇用となりますが、現在既に働いている社員の契約は今まで通り維持されるとのことです。
執筆:Daisuke