フランス料理というと、高級感があってスタイリッシュでおしゃれな盛り付けの料理をイメージされる方も多いでしょう。おいしいものが多いフランスでは、学校給食や病院食などもレベルが高いのでしょうか?今回は学校や病院で提供される食事、また、フランス企業が従業員に提供している食事補助についてレポートします!
びっくり!フランスの給食は子どもには人気なし?
グルメの国フランスの学校給食には、どのようなメニューがあるのでしょうか?多くの小学校では、門に備え付けてある掲示板に1週間の献立が張り出されています。前菜、メイン、デザートの構成です。
こちらはある日のメニューです。
・前菜 キャロットラペ
・メイン チキンロースト ジャガイモピュレ添え
・デザート チョコレートムース
メニューだけを見ると「フランスの給食はおいしそう!」という印象を受けますが、子どもたちに聞いてみると「日によって当たりはずれがあるから、どうかなぁ。」というシビアな意見も。
同じフランス料理なら「おばあちゃんの手作りキッシュやお母さんの手作り料理が好み」という子も多いようです。ルーツが多様にわたるフランスでは、一般的なフランス料理よりも家庭の味に親しみがあるのかもしれません。
フランスでは公立の小学校、中学校、高校は給食を学校で食べることは義務ではありません。お昼休みに家に帰って食べさせるご家庭もあります。
万全なサービスにご満悦!フランスの病院の食事
各施設で差はあると思いますが、私が出産でお世話になった病院の食事はなかなかの配慮がされていました。三食の食事は前日に数種のメニューから選べるようになっており、朝食の飲み物はコーヒー、紅茶、ココアから選択できました。
夏の暑い季節は、夕方になると水分補給と称してシロップを水で割ったものを提供され、なかなか気遣いのあるサービスだなと思ったものです。病院なので、全てプラスチック容器に入っており華やかさには欠けるものの、味はそれほど悪くなかったです。
また、子どもの急病で病院に行ったときのこと。大混雑で待つことすでに5時間。付き添いの私は売店などに行くことは可能でしたが、子どもは待合室で待機状態。そのため看護師さんが配慮してくださり、特別サービスで子どもの分だけ食事を持ってきてくれました。このときも2種類から選べるようなシステムでした。
フランス企業は交通費なしでも飲食代は援助あり
日本と違って、フランス企業では従業員の交通費を全額負担するケースは珍しいようで、公共機関の電車を使う場合のみ半額程度援助しています。しかし、食事に関しては援助があり、各企業で従業員に食事補助を提供しています。
例えば、多くの会社が飲食小切手を発行しており、フランスではシェック・レストラン ( chèque restaurant) またはティケ・レストラン ( ticket restaurant ) と呼ばれています。食事補助の1つで、このシステムの加盟店のお店ならパン屋、レストラン、スーパーでも使えます。
企業と従業員がお互い一部ずつ金額を負担するようになっており、企業側は社会保障負担額の軽減、従業員の福利厚生として人気です。
実際、勤務中の食事はお弁当を持参し、週末の外食やスーパーの支払いに利用しているフランス人を頻繁に目にすることから、このシステムは上手に活用されているようです。
また、飲食店に勤務の場合は職場が食事を提供するのが前提になっており、食事をとらなかった場合は給与に還元されることになっています。
まとめ
今回は、フランスの施設や企業で提供されている食事サービスについてご紹介しました。ガストロノミーの国で有名なフランスですが、フランス人たちの「おいしい」の評価は味だけではないのだと感じます。誰とどのようなものを食べるかも彼らにとって大事なポイント。家族や友人たちと一緒に囲む食卓や視覚から食をプロデュースするテーブルコーディネートも含めての総合評価が大切なのでしょう。
執筆 YUKO