メールやSNSアプリでのやり取りが多くなった現在、手書きの手紙を出したり受け取ったりする機会も少なくなってきているかもしれません。フランスにも、季節のお便りを出す習慣があるのですが、日本とは少し違います。今回は、季節のお便りをテーマに、フランスの「暑中見舞い」や「年賀状」についてレポートします。
便せんやポストカードはどこで買える?
日本の文房具コーナーに行くと、一筆箋や素敵な柄のポストカード、便せんなどの種類が多く並んでおり、手紙を出す予定もないにのについ欲しくなってしまうのは私だけでしょうか?
フランスでは、街中で独立した文房具店はあまり見かけませんが、本屋の一角に文具コーナーが設けられ便せんやポストカードが販売されています。私の印象ですと、色のバリエーションが美しい封筒と便せんが多く、無地が多いように感じます。
代表的なメーカーは Clairefontaine ( クレールフォンテーヌ ) で、フランス人は結婚式や出産のお知らせなどにも愛用しています。インクが映えるような、しっかりした紙質と色の種類の多さが特徴です。
ポストカードは、お誕生日、結婚祝いなどテーマに沿ってすでにメッセージが入ったものが売られています。
フランス人がお便りを盛んに出す時期は…?
普段はメールやSNSなどでやり取りをするフランス人たちですが、夏になると急にポストカードを送り始めます。どのようなものかというと、バカンス先からのお便りで美しい海や街並みのポストカードです。日本でいうところの「暑中見舞い」ですね。
ポストカードはどの地域に行っても、街のたばこ屋さんや日用品店で手に入れることができます。夏のバカンス時期になると、店先のポストカードを熱心に選んでいる観光客の姿や、カフェで購入したカードにメッセージを書く人を見かけます。
このポストカードは右側が住所記入と切手を貼るスペースになっていて、メッセージを書くスペースは左半分しかありません。そのため、「やあ、元気ですか?こちらは毎日太陽がさんさんと降り注いでいます。海が美しいです。またね!」ぐらいの文しか書けません。
つまり、この暑中見舞いの目的は、自分がバカンスを満喫しているアピールです。バカンスに出ると、家族や兄弟にせっせとポストカードを送りあうフランス人。受け取るほうも旅行した気分になって嬉しいのか、冷蔵庫に貼ったりリビングに飾って楽しむ人も多くいます。
フランスでの「年賀状」はクリスマスカード
季節のお便りといえば、フランスでは冬にクリスマスカードが登場! 郵便局や文具コーナーで、さまざまな絵柄のクリスマスカードを入手できます。
クリスマスカードは遠く離れている家族や親しい友人に送ることが多いです。一方、普段から会っている人にお便りをしたためることは少ないです。夏のバカンス先からの「暑中見舞い」は、近くに住んでいたり普段よく会う兄弟や家族にも送るのに…。この違いは面白いですよね。
クリスマスカードには、相手の健康や幸福を願う文面をしたためます。夏のお便りよりも、思いやりや気遣いを感じる内容となっている印象です。
まとめ
メールやメッセンジャーなどで気軽にやり取りができるようになった現代でも、お便りをいただくとやはり嬉しいものです。フランス人の夏の「暑中見舞い」は、バカンスの満喫アピール。冬は心のこもったメッセージという使い分けも興味深いですね。観光地でなくても、ポストカードは手に入りますので、フランスに行く機会がありましたらチェックしてみてくださいね。
執筆 YUKO