2023年9月8日(金)、男子15人制ラグビーワールドカップ2023フランス大会が開幕、本日フランス時間21時にパリ、スタッド=ドゥ=フランス(Stade de France)にて、フランス対ニュージーランドの開幕戦が行われます。開催国としてフランスチームへの優勝への期待は高く、パリ市内ではコンコルド広場(place de la Concorde)に巨大なファンゾーンが設置されるなど、盛り上がりを見せています。大会は10月28日の決勝戦まで約2ヶ月にわたりフランス各地で開催されます。
フランス悲願の初優勝なるか?初戦でいきなりオールブラックスと対決
フランスチームは2年前、欧州遠征で訪れたニュージーランドに快勝し(40-25)、今年のシックスネィションズ (注)ではアイルランドについで2位、先月27日の対オーストラリア親善試合で41-17とW杯を前に好成績を残しています。
過去大会で3回の準優勝と惜しくも優勝を逃してきたフランスは、地元フランスでの開催ということもあり、悲願の初優勝を狙っています。
一方、1984年の初回から今年で10回目となるW杯(男子)で3回(1997、2011、2015)優勝のNZオールブラックスは、本大会直前、先月25日に行われた南アとの試合で35-7という歴史的大敗を喫しています。
フランスチーム、「司令塔」など主力3選手が怪我で欠場
父エミールもフランス代表で名フルバックとして名を馳せた、フランスのスター的選手、スタンドオフ(SO)のロマン・ヌタマック(Romain Ntamack)が、シックスネイションズの対スコットランド戦で負った膝の怪我で欠場となり、ラグビーファンの間でショックが広がっています。
特に背番号10番のスタンドオフ(demi d’ouverture)は、ラグビーの試合で司令塔の役割をすることから同選手の欠場はフランスチームにとっては大きな痛手となります。
さらにフランス代表のジョナタン・ダンティ(Jonathan Danty)選手、ポール・ヴィレムス(Paul Willemse)選手といった主力選手を欠いての大会とあって、本日の初戦での戦いぶりが気になるところです。
憧れのオールブラックス対決 仏キャプテン
フランス代表監督ファビアン・ガルティエ(Fabien Galthié)氏は、一昨日の代表メンバー発表で、ヌタマック選手の替わりに先月のオーストラリア戦で活躍したマチュー・ジャリベール(Matthieu Jalibert)を起用、「フランス最高の代表選手たちだ」と選手たちへの信頼を表明しています。
初戦で強豪ニュージーランドと対戦することについては「衝撃」を「お祭り」だと思って対戦するといい、キャプテンでスクラムハーフ(SH)のアントワーヌ・デュポン(Antoine Dupont)選手は、「オールブラックスは何世代にもわたってラガーマンが夢見た対戦相手」と初戦への意気込みを見せています。
対オールブラックス戦 仏代表メンバー↓
🇫🇷🇳🇿 𝐎𝐍 𝐘 𝐄𝐒𝐓 🔥
Voici votre #XVdeFrance pour le match d'ouverture de la #RWC2023 face à la Nouvelle-Zélande 🤩#UnisPourUnRêve #FRAvNZL pic.twitter.com/EhVrA2srkp
— France Rugby (@FranceRugby) September 6, 2023
コンコルド広場に巨大なファンゾーン
今回のラグビーワールドカップには、推定約60万人がフランスを訪れます。
運よく試合をスタジアムで見れなくても試合の雰囲気を味わってもらおうと、フランス各地でたくさんのファンゾーンが設けられます。
パリの中心部、コンコルド広場にもラグビー村(Village Rugby:最大15000人収容)が設営されています。本日の開幕戦の対戦相手がニュージーランドとあって、2台の予定だった巨大なスクリーンが本日は4台設置されています。
ラグビー村は10月28日までのW杯期間中、金、土、日、およびフランスチームの試合の日の14時から23時30分までオープンします。ちなみに併設のオフィシャルショップは毎日10時から22時(試合の日は23時)まで営業します。
コンコルド広場への車での通行は一部のみ維持されますが、本日の開幕戦、およびフランスがベスト8進出した場合は最大39000人を収容するため、周辺道路の通行止、駐車禁止や交通規制の対象となるゾーンがさらに拡大されます。
地下鉄コンコルド(Concorde)駅およびチュイルリー(Tuileries)駅はファンゾーンのオープン中は閉鎖されます。
パリ市の情報サイトはこちら
2024年パリオリンピック前のテスト
パリ市は、ラグビーW杯のファンゾーンをコンコルド広場に設営することで、来年のパリ五輪の予行練習も兼ねているようです。
会場には飲料水が出る給水スポットが多数設置され、パリ市は「水筒を持ってこよう」と呼びかけています。
さらに場内のレストランではプラスチックの容器の代替え容器などで作った容器を利用するなど、こういった巨大イベントにおける環境への配慮を市は全面にアピールしています。
執筆:マダム・カトウ