2023年4月25日(火)、フランスの麻薬特殊捜査班が差し押さえた品々のオークションがシテ島にあるパリ司法宮(Palais de justice)で本日開催されます。高級車ランボルギーニや高級時計、バックなど総額70万ユーロ(約1億350万円/1ユーロ=147,81円)相当の押収品が出品されます。
麻薬犯罪検挙で押収の277品、総額60万ユーロ
本日のオークションは2015年の同時テロなど、パリ司法宮の中でも最も重要な裁判を行う控訴院法廷(salle des grands procès de la cour d’appel de Paris)で開催され、入札者は会場に出向くかオンラインで参加することができます。
今回出品される277品は全て、有罪判決を受けた麻薬犯罪者から押収したもので、オークションは犯罪者の押収品や債権回収、つまり借金の担保の差し押さえ品などを管理する、押収品管理局(Agence de gestion et de recouvrement des avoirs saisis et confisqués (Agrasc)により開催されます。
麻薬の売人は、違法行為により得た資金で購入したという理由で、これらの品々を押収されます。
目玉はランボルギーニ、160万ユーロから競売スタート
出品された品々の内訳は、車25台、うち160万ユーロ(約2 360万円)相当のランボルギーニ1台、オートバイ、四輪バギー、自転車、掃除機やビデオゲーム機、衣料品やバッグなどと様々です。
ブランド品では、ディオールのパジャマ、クリスチャン・ルブタンの靴、ルイヴィトンのバック、8,000ユーロ(約118万円)から競売にかけられるローレックスの時計、さらに金や宝石などが出品されています。
また、これ以外にもフランスの海外県で押収され現地で管理されている船や車も競売にかけられます。
2022年フランスの犯罪による押収額、過去最高
昨年1年間の犯罪による押収総額は7億7100万ユーロ(1,139億円)で、前年対比 6.3%増で過去最高記録を更新しました。
競売の売り上げはどこへ?
本日のオークションの落札額がいくらになるのかが気になるところですが、売却により回収されたお金はどこにいくのでしょうか?
回収金は、複数の省庁よりなる麻薬および麻薬中毒撲滅のための機関(lutte contre les drogues et les conduites addictives (MIDELCA)の運営資金として使われます。
法の象徴、パリ司法宮で「麻薬はダメ」アピール
オークションは資金を得るためだけではなく、「麻薬犯罪は報われない」というメッセージを国民に向けて発信することも目的で、特にパリ司法宮という唯一無二の歴史的建造物が会場に選ばれたのは、「中世の時代から存在する法と財務」を体現する場で開催することで、象徴的な意味を持たせるためと同局は説明しています。
執筆:マダム・カトウ