6月16日(火)、フランスは6月15日0時よりスペイン、イギリスを除くEU各国との国境を再開しました。
スペインとの国境再開も10日前倒し、観光復興に急ぐ各国
フランスは昨日よりほとんどのEU加盟国との陸海空における国境を再開しました。
新型コロナウイルス 感染者を多数出したイタリアは、長期間のロックダウンで壊滅的な打撃を受けた経済の立て直しを図るため、すでに6月3日から全てのEU加盟国との国境を再開しています。感染者の少ないクロアチアやポーランドも、再開を先週に前倒ししています。
多くの死者を出し、厳重な外出禁止令を出していたスペインも、6月21日よりフランスとポルトガルとの国境を平常通りに再開し、入国後14日間の自主隔離義務を撤廃します。フランスは、相手国が自主隔離などの条件をつけている場合は、同様の条件を相手国民につけているため、スペイン人も現在のところ自主隔離となっています。
観光収入がGDPの4分の1近くを占めるギリシャでは、15日より日本を含む一部の国からの入国を条件付きで許可しています。但し感染者の少ない国に限定しているため、EU加盟国でも感染者が多かったフランス、イタリア、スペインおよびイギリスは、7月1日に無条件の国境再開まで待つことになります。
イギリスは国境管理を強化、6月に自主隔離を導入
ロックダウン中も特急列車ユーロスターはフランスとイギリスの間を間引きで運行していました。しかしながら、欧州域内の感染第一波が収まり、各国が国境再開や入国の際の条件緩和を急ぐなか、イギリス政府は6月8日よりイギリス入国の際に14日間の自主隔離を導入しました。
7月1日より、世界の観光客を徐々に受け入れ
人口約6700万人のフランスには、毎年その倍以上に当たる約8000万人の観光客が訪れ、その観光収入は340億ユーロ(約4兆円)にも上ります。
14日のマクロン大統領の発表で、6月15日からパリのカフェやレストランでも店内での営業が許可されましたが、パリのレストランでは観光客は顧客の半分を占めており、国外からの観光客が来なければその多くは閉店に追い込まれると言われています。
そのため、フランス政府は、7月からシェンゲン条約非加盟国との国境を徐々に再開していくことを決定しました。
EU各国の条件・状況、ホームページで確認を
EU加盟国内でも、国境再開の状況や条件等は国ごとに異なります。
7月からの夏のバカンスシーズンに向け、域内の移動をスムーズにするため、EUは入国管理状況が確認できるホームページを立ち上げました。
ホームページには、加盟国27国の状況が24ヶ国語で説明されています。ちなみに、残念ながらEU離脱を決めたイギリスは入っていません。
執筆:マダム・カトウ